1人コリー・フェルドマン祭り

昨年の秋に何故か無性に「グーニーズ」が観たくなり、ついでにコリー・フェルドマンの出演作のDVDを数本購入したのです。
それを先週ようやく観た訳です。
輝いていたコリー・フェルドマン
そしてなんと、全然気にしてなかったけど、各DVDそれぞれで、作品解説とか作品振り返りなんかの名目で大人になった出演者たちの姿が!なんか予期せぬお宝にウギャーッ!となっておったのです。

コリー・フェルドマンが我が青春のアイドルだったことについてはこちらの日記にて↓
2010-3-12「大好きだった」

では、各作品の感想をば。

1本目は「グーニーズ」。1985年、リチャード・ドナー監督。
コリーくんは、スペイン語を操る減らず口の“マウス”を演じてました。これで私ファンになったんだよなあ。ちなみに1971年生まれのコリーくん、撮影時は13歳くらいだったと思われますが、小さい!可愛い!10歳くらいに見える!
ショーン・アスティン(主役の“マイキー”)もキー・ホイ・クァン(発明マニアのアジアン少年“データ”)も、ジェフ・コーエン(おデブの“チャンク”)も、みんな同い年ですが、みんな歳より子供に見える!可愛い!!
みんなより3〜4歳年上のジョシュ・ブローリン(お兄ちゃん“ブランド”)やケリー・グリーン(チアリーダーの“アンディ”)はわかるとして、後にリバー・フェニックスのガールフレンドとして知られるマーサ・プリンプトン(メガネの“ステフ”)は、他の4少年と確か1歳くらいしか違わない筈なのですが、凄く大人びて見えました。

子供の時の思い出そのままに観始めたら、やっぱり内容はいかにも子供が喜びそうな映画でして、特にこれといった感想はありません。鈍麻したのかなー。

が!グーニーズのDVDには“隠された秘宝”が!!
マジで気付かなかったのですが、なんと上記出演者7名と、リチャード・ドナー監督の解説付き!しかも、映像付きで!!

コリーくんが喋る喋る。これは多分2001年くらいに収録されてるようなので、29〜30歳くらいかな?
この時期のコリーくんは確か、薬に溺れたりという私生活のごたごたドロドロから脱するために頑張って浮上し始めた時だと思われ、元気なコリーくんの姿に胸が熱くなりました・・・。
もともと人懐こい性格なんだろうなあ、コリーくんは。監督ともほか出演者とも、いっぱい喋って絡んで、すごく仲良さそうでした。

この解説、当時の裏話が知れる楽しみはもちろん、大人になってアジアンビューティな感じになったキー・ホイ・クァン(ジョナサン・キーに途中から改名したっけな)とか、意外に真面目で不器用そうなショーン・アスティンとか、敏腕弁護士になったジェフ・コーエン!(昔はジェフ・E・コーエン表記だったよね)とか、変わらぬ美貌と知性の光るケリー・グリーンがワイワイ喋ってる姿が、もうそれだけでたまらんのです!
役者や監督にとってはたくさん関わった映画の中の一本に過ぎないと思うんだけど、顔合わせて映像観ると、いろいろ蘇ってくるんだろうなあと。

ジョシュ・ブローリンは、外見は相変わらず地味にカッコいいですが、内面的にはすげーイイ男って感じでステキでした。ユーモアもさらっとしてて、コリーくんが「いつまでも子供ね!」という可愛さだとしたら、こちらは「少年の心を持つ大人の男」って感じの可愛さというか。
マーサ・プリンプトンは自由で楽しそうだった。
作中での、コリー君と彼女の喧嘩するほど仲がいい的な芝居は日ごろの役作りの賜物だったようで、気になる女の子にちょっかいかけてからかうコリー君と、本気で怒るマーサ、という雰囲気は想像するだけで微笑ましいです。
つうか、コリーくんは子役時代にもお仕事けっこうしているみたいなので、現場の雰囲気づくりや役作りにも気配りしてたのかなーとか、ファンの欲目的に思ったり。

ダメだ、特典映像の感想しか出て来ないや。
本編でショーン君やキー君が、役名じゃなくて役者本人の名前を呼んじゃってるっていうNGが一番面白かったです。
いや、NGじゃ無いんだこれが。そのまま使っちゃってるんだよ、もう!今となってはお宝映像と言えようが、当時はいろいろシビアな撮影だったのかな。時間とか予算とか・・・とか思ったり。
そういえば、コリーくん演じた“テディ”は、コリー・ハイムくんもオーディション受けに来たらしいよ!

ショーン・アスティンは近年「ロード・オブ・ザ・リング」に出演したり、ジョシュ・ブローリンも俳優としてキャリアを重ねているようですし、キー・ホイ・クァンはスタッフ側で映画に関わったりと元気そうだし、ほか映画関係以外の道に進んだ人達もみんなそれぞれが今もいい人生を送っているように見えて嬉しかったです。
もちろんコリー・フェルドマンも、負けずに頑張っているようです。


2本目。「スタンド・バイ・ミー」。1986年。ロブ・ライナー監督。
子供の頃に観たっきりでしたが、今回観返して、これは大人のための映画だと思いました。辛くて苦しくなるくらい切ない映画です。
こちらは、音声解説は監督のみ、特典映像にゴードン(兄を亡くした少年。後の作家になる)役のウィル・ウィートン、テディ(父親への複雑な愛情を持つメガネの少年)役のコリー・フェルドマン、バーン(ちょっと太めの少年)役のジェリー・オコネル、大人になったゴードン役のリチャード・ドレイファス、あと原作のスティーブン・キングロブ・ライナー監督が、当時のことを語っていました。
1999年とか2000年とか、そのへんに収録されたのかな?ちょっと定かではありません。コリーくんを見るとグーニーズの頃と一緒かもしれません。

この特典映像を観ている最中にふと、
「あれ?リバー・フェニックスは?」
と思い、その理由を思い出した瞬間に胸が締め付けられるように痛みました。
リバー・フェニックスは、もうこの世にいないのですね。もう、亡くなってから20年もの月日が過ぎました。信じられません。

本編を観て、特典映像を観て、それから監督の音声解説付きを観ました。監督は長回しの場面での子供たちの芝居をとても褒めていました。ジェリー・オコネルの鷹揚さとか、コリーくんの怒りの芝居がどれだけ深かったかとか、キーファー・サザーランドの演技力と存在感とかも褒めていましたが、中でもウィル・ウィートンと、そして特にリバー・フェニックスへの愛情は凄まじいと思いました。
確かに二人それぞれの、感情があふれ出す場面での芝居は、改めて観ると子役の芝居と言うものを超越しているように見えて、若いながらも魅力的な役者だと思いました。
でも、その監督の気持ちが伝われば伝わるほど、私は何だか切なくなりました。
4人が主役のはずだけど、監督の気持ちの上では主役はこの2人だったのかなあと。
もちろん、バーンとテディがいてこそ映画が成り立つわけで、主役だからどう、またそうでないからどうってことではないのですが。

実は子供の頃は、大好きなコリーくんがテディを演じてることがショックでした。
空気を読めない、教養が無い、恥ずかしい役だと思っていました。そんな気持ちを、
「こういう面白い役がやれるのは役者として貴重な経験だから」
と自分に言い聞かせていました。それは偶然にも正論だったのですが、私は心底ではそれを納得していなかったのです。

でも今、大人になって改めて観ると、テディという役そしてその芝居はとても難しいことがわかるし、コリー君の芝居は辛くて切ないものでした。いい芝居だと思います。泣いてるシーンや怒ってるシーン、しょげてるシーンも良いけれど、何もわかっていないみたいなはしゃいでるシーンが特に良かったなあと。
ゴードンもクリスも辛い境遇にあるけれど、私にとっては誰よりもテディが辛く思える。
自分は虐待された経験も親の愛情に飢えた経験も無いけれど、今回テディを観ていて初めて、その心情を想像しました。父親への恐怖から裏返されて湧き出たかもしれないその愛情。彼の持つ凄まじい枯渇感。

コリーくんが好きで好きでたまらなかったあの中学生の頃に観ただけで終わっていたら、たぶんこの気持ちは生まれなかったと思います。
いい映画だな。
キーファー・サザーランドの演技も必見です。格好いいし怖いし凄い。
そういやゴードンのお兄さん役を演じてるのがジョン・キューザックでした。「スピード」(これも古いけど)の刑事役の役者さんですね。まだ若い!


3本目。「ロストボーイ」1987年。ジョエル・シュマッカー監督。
これは!この映画知ってる人、どれくらいいるんだろう!割と売れたらしいですが、日本ではマイナーな方に入るよなあ。
これはコリー・ハイム主演!と言いたいところだけど、多分主役はお兄さん役のジェイソン・パトリック。と、キーファー・サザーランド
しかしながら私にとっては二人のコリーが主役です!
コリーくん、かわいい!あ、ハイムの方ね。フェルドマンくんの方は、変声期なのか役づくりなのか、この映画ホント変な声で喋ってんの!まあ、そこが可愛いんだけど。

これの特典映像は、収録が2004年だかって書いてあったかな?
Wコリーとジェイミソン・ニューランダーが、それぞれ自分たちの出演シーンを観て解説をする、というものです。バラバラでの解説だったのが寂しかったのと、3人とも使用映像が一緒だったので、ハイムくん単独出演シーンの解説が無かったのが物足りなかったですが、大人になった彼らの語りを聞けただけで良しとしましょうか。
コリー・フェルドマンの兄弟役を演じたジェイミソン・ニューランダー、これが初映画出演だったそうです。今も活動してるっぽいですね。最近の情報はまるで知りませんが解説でそれっぽいことを話してました。あの頃はコリーくんしか観てなかったけど、彼もなかなか少年ながら味のある表情で良い芝居ですなあ。
そういえば3作とも「お兄ちゃんと弟」が出てくるわ。お兄さん役の身体の大きな若者に可愛がられてるショーンくんとウィルくんとコリー・ハイムくんの姿が観られるって点でも美味しい作品たち。

ロストボーイは昔観た時よりも今回の方が楽しめました。
お母さん役の女優さんがえらく可愛かったのと、おじいちゃん役の人が「天使にラブソングを2」の校長先生役だっていう発見も有り。

コリー・ハイムくんは、この特典収録から6年後、2010年に亡くなってるのでした。
彼もキャリアの低迷と薬物中毒から抜け出して浮上しようと復帰に向けて頑張っていたらしいのですが、志半ばで帰らぬ人となってしまいました。
悲しいです。

コリー・フェルドマンが、ハイムくんが亡くなった時のインタビューで語っていました。
「彼を悼む数多くの声が聞えてくる。でも、この人たちは今までどこにいたんだろうと思う。彼が生きている時に、『君は今も輝いてるスターだ、私たちの憧れだ』と声をかけてくれた人たちがどれだけいたんだろう」と。

生きていてくれる、そして今も活動してくれている、というそのことの価値を噛みしめつつ、
B級だろうと何だろうと構わないから最近のコリー・フェルドマンの出演作も手に入れようという算段を立てつつ、この度の1人コリー・フェルドマン祭りを締めくくりたいと思います。

VHSしか無いけど、「運転免許証」と「ドリーム・ドリーム」も欲しいんだよなあ。
ハイムくんの「ルーカスの初恋メモリー」は、ケリー・グリーンがヒロインだったかな?記憶が遠過ぎてあやふやだわ。

締めくくり…?いやいや祭りは終わらないよ!

どんどん祭ろうぜ!
第2弾フェルドマン祭りでも、ちょっと怖いけどエドワード・ファーロング祭りでもいいし(そういやこの2人最近ゾンビ映画で共演してるんだよね。2人主役らしい)、入手困難だけどハイム祭りとか、そうそうマイケル・ビーン祭りを忘れちゃならんね!
マイケル・ビーンは2009年に中野ブロードウェイのちっちゃいお店のちっちゃいイベントに来てサイン会してくれたらしいぞ。知らんかった!!!

そんでもって祭りの後にはファンレターをしたためようと思うのです。

「今もあなたは私のスターです、ずっとずっと大好きで、特別な人で、憧れの存在で、これからもずーっと応援しています」

と。

もう、コリー・フェルドマンくんと結婚できないんだったら一生結婚しない!(笑)