一週間ぶり日記・観劇感想

11/2の記事のコメントが反映されておりませんでした。ごめんなさい。コメント返ししております。

さて、最近とんと日記の更新をさぼっておりますが。
今・・・ちょっと・・・大変なことに。

自業自得ではありますが。

鴻上尚史さんの言葉で「才能とは夢を見続ける力のこと」というのがあります。高校生の頃にこの言葉を読んで、それ以来ずーっと長いこと心のど真ん中に据えてあるんです。

が。

いやまあ、それは今の状況に取り立てて関係ないんですけど。
鴻上さんのこの言葉をは、今でも一番よく目につくところに置いてあります。ずーっと同じところに置いておくと段々目に入らなくなってくるので、たまに場所を変えた方がいいね。

久々の日記だけど、独り言。日記っぽくていいね。


週末はモリモトユカリプロデュースの公演と、ミスタースリムカンパニーの公演を観に行ってきました。
モリモトユカリプロデュースの皆さんは、一度飲み会にもお邪魔したことがありますが、皆さんすごく面白くて、芝居が好きで、お話してるだけでもとっても勉強になるような、そんな人生の先輩たちです。発条にちょこちょこ出てくれる加納和也くんの関係で知り合ったのですが、皆さん発条の公演も観に来てくださって、ものっすごくいい人達です。
そんなこんなでお話はしたことはあるのですが、お芝居を観るのは今回が初めてでした。

アメリカの画家ポロック(この人は劇中には出てこない)と、それを支えつつ自らの創作活動に悩み葛藤しつつ生きる女流画家のリー・クラズナーの物語。な訳ですが。
森本縁さんと藤波靖子さんの芝居が良かったの!この二人のやり取りが割と多いのですが、とっても見応えがありました。
前述のようにちょこちょこお話することはあったので普段のお人柄はなんとなく知っていて、そこから何となくお芝居の感じを想像したりなんかしてたのですが、ぜんっぜん違ってた!

縁さんは、普段はとっても可愛らしくて癒し系で女らしい人という印象がありますが、今回は女性らしさは封印して、その真逆のような人を演じてました。

男女の仲も、ウキウキうるうるツヤツヤするようなものばっかりじゃないもんねえ。才能ある芸術家にこんなこと言うのもなんだけど、ホント男って気楽でいいよねえ。支えてくれる女がいてさ。いい男だからこそ支えてもらえるんだろうけどさ。女からしてみりゃ、お前のお守りして、面倒見て、精神的ダメージをこうむって、女だからというだけで世間から受ける偏見や嫉妬とも闘って、おまけにすぐ傍にいるお前がめちゃめちゃ才能あるもんだから、私ゃ己の作家としての能力やら何やらにおけるコンプレックスとまで余計に激しく闘わなきゃならなくて、まあ、それは自分が選んだ道だからいいんだけどさ。お前はいいよなあ、ちょっと心が弱ったからってんで何だかんだ気晴らしがいくらでもできて。とは言えお前に並々ならぬ才能があるからこそ、私は好き好んでサポートしたいって思っちまうんだから仕方ないんだよな、くっそう。
って感じですかね。
リー・クラズナーって人は凄いな。男女の仲も芸術活動もひっくるめて相手を支えて、それでいて自分の才能も開花させたんだから。

というようなお芝居だったんですけど。

で、ポロックを世に出したという画商のペギー・グッゲンハイムを演じてたのが靖子さんなんですが(そういえば、もしやグッゲンハイム美術館のグッゲンハイムさん?)。
こちらがもう、ホント別人。怖かったあ。上品で可愛らしい感じの居方・喋り方なのに、いっやあ、女って怖え!って感じが登場からプンプンしてて。
「お嬢様」って言われてたっけなあ。ホントそういう感じ。ぼんくらお嬢様じゃなくて、気品とお金があって育ちが良くて審美眼のあるお嬢様ね。喋り方がおっとりしてるところが怖さを増してた。
ポロックとは男女の仲だったのかなあ。その辺はわからないけど、少なくともペギーの方は画家としてだけではない。「男」としての、まあ恋愛にちょっと似た気持ちはあっただろうな。なんだろう。大人の女ならわかるよね、ねっ。

女の話って面白い。必ずしも「女」だからって一括りにはできないけれど、まったくかけ離れた人間の中にも、あ、これはこういう気持ちかも、というのを妄想し甲斐がある。

映像を使って、ポロックとクラズナーの絵を見せてくれるのも面白かった。ただ映して見せるだけじゃなくて、こう、絵の中に入り込むような取り込まれるような感じ?
だんだん絵が出来ていく、みたいなシーンも面白かった。

あと印象的だったのは、お婆さんになったペギーの芝居。歩き方なんかも若い時とは違ってるんだけど、舞台の後ろにある棚に手を伸ばした時、手が細かく震えてたんだよね。そう、まさに老人の手の独特の震え方!細かいなあ。あの席に座って良かった!芝居ってちょっと斜から観るのがやっぱ好きだなあ。

終演後にご挨拶したのですが、縁さんも靖子さんも、あと演出の井上さん(と言っても今回は演出補佐と映像関連。別の方が作・演出されてました)、皆さん気さくに話してくださって、ああ、なんていい人達なんだろう。

ストーリー自体はシンプルで(とは言え近代芸術の話が盛りだくさん)、会話が多いぶん役者の力が見えてくるような、そういえばポロックは出てないのに、女たちが語っているのを聞いてたせいかポロックの姿を見ていた気になるような、そんな感じの舞台でした。


ミスタースリムカンパニーの方は一転して、ザ・ミュージカルでした。
発条ロールシアターでいつも受付嬢をやってくれてる小野島由惟ちゃんが出演するとのことで行ってきました。こちらの劇団さん、なんとSINCE1975!1975年に結成したってこと?!もう完全にスタイルが確立されていてファンも多いようです。前回公演も観たのですが、相変わらず華やかでエネルギッシュで役者さんもバンドの皆さん(生バンドなんですよう!)もとっても元気な感じでした。
由惟ちゃんはその恵まれた肉体美と顔の美しさとそこはかとなく漂うアホっぽさと類稀なる華やかさを活かした可愛い役でした。喉をぶっ潰してましたが、今回の役ならキャラクター的にむしろちょうど良かったかも。先行きを考えたらもうちょっと大事にしてほしいけど。
ハスキーボイスは好きだけどね。

私はここに出てる寺門祐介さんという役者さんが好きです。そういえば、いろんな好みがことごとく異なる主宰の加茂克とも、ここに関しては珍しく意見が一致しております。
特にダンスがステキ。今回は寺門さんばっかり目で追っちゃいました。うーん、かっこいいなあ。
ダンスがイカシてて目を惹きます。そう、イカスぜ!って感じの言葉が似合うんです。
前回のロカビリーな寺門さんは本当にイカシてる役でした。ものっすごく似合ってた。
今回はきちんとした人の役。しかし、それはそれで似合っててかっこよかったです。ダンスの時のフェロモンだだ漏れ色気溢れ過ぎな雰囲気とのギャップが凄かったです。特に阿片のシーンの後半、センター奥で踊ってたんですが、色っぽ過ぎてかっこよくておしっこちびりそうになりました。音楽の捉え方というか、リズムの取り方?が好き。
色っぽい色っぽい言うとたぶん誤解を招く気がするのですが、どっちかって言うと男性に人気がありそうなタイプに見えます。ただ、その一周回って戻ってきたあたりが私にとっては完全どストライクです。何のこっちゃ。
あと、手指がとっても綺麗。声も好きだなあ。
舞台の袖や裏で声を出すことがちょこちょこあったんですが、そのセリフも通ること通ること。
いろんな芝居の寺門さんを観てみたくなります。

そういえば昨年4月に夢幻堂の「我儘な死体」で共演した桂健太朗くんも出演してました。この人も踊ってるとえらくカッコよく見えます。喋ると、今にも面白いこと言いそうなムードを醸すのですけど。


他にもお誘いいただいてる舞台がたくさんあったのですが、そちらは行けませんでした。ごめんなさい。
ええと、あとは何してたっけな、先週は。日記に書くようなことは何も無いんだよなあ。

あ、新潟土産のかりんとう饅頭「鬼の金棒」を食べました。これ、美味しい!調べてみたらかりんとう饅頭はあちこちで作られているみたい。鬼の金棒は個包装に鬼の絵がプリントされてて可愛いです。

うーんと、あとは・・・
あ、小塚崇彦選手がグランプリファイナル進出を決めました!キーラ・コルピ選手も!嬉しい!

さて、今日はこの後、花見単独の稽古です。