『夜叉』

1985年 降旗康男監督。

たまたまテレビをつけたらやってたのですが、そんなつもりも無いのに見入っちゃって、ほほーと思っていたのですが。

高倉健が田中裕子とヤッたところでもういいやと思って観るのやめてしまいました。

 

何がどうしてそうなるのだろう。結局はミナミが性に合ってるんだよ、おいらは。ってこと?今でもあの生活に戻りたかったってこと?

奥さん(いしだあゆみ)の母親が直前の場面で言った「あの人の夜叉は背中に居るんじゃない、心の中に居るんだ」っていうのはそういうこと?人の根本は変わらないというか。

 

しかしさー。背中の夜叉の入れ墨が見つかってヒソヒソ言われる中、いしだあゆみは毅然とした態度でいて、肝が据わってると言うかカッコいいんだぜ?

夜中に田中裕子の飲み屋に行って「あんたと飲んでる時が一番気が楽だ」とか言っちゃってる旦那を怒りもせず、あくまで穏やかにニコニコと女を牽制しに行くイイ女なんだぜ?(まったく効果無かったようだが)

なんでそれを裏切っちゃうかなー。

あんな、ろくでなし男を切れないようなおバカさんよりもさー。奥さんの方が500倍いい女じゃんかー。ミナミから海に来て漁師生活って、きっと今まですごい苦労を共にしてくれてるんじゃないの?

惹かれちゃうのは仕方ないにしても、プラトニックの方がカッコイイと思うんですけど。それとも、こんなにカッコいい健さんもシャブ中のビートたけしと同じでろくでもないんですぜ、みたいなことなのかな。健さんに憧れる世の中の老若男女に「期待を裏切ってやったぜ!どうだ、今回の健さんはつまんねえ奴だろ、びっくりしただろー!」ってやりたかったのかな。

 

そうなんだな、きっと。

健さんの映画だからっていつもいつも健さんがカッコイイと思うなよ!目新しい女の前で何も考えずにチンコ勃っちゃうんだよ!っていう映画なんだな。

 

高倉健は自分の好きなようにやってるからいいとして、奥さんと子供たちはたまったもんじゃないよな。浮気だけならともかく、背中の入れ墨も見られちゃってこの先すっごい生きづらいじゃん。これ最後どうなるんだろう。奥さんと子供たちが幸せになれますように。

 

ホテルで田中裕子の前で背中の夜叉丸出しにしてるところで気持ちが萎えたので、最後まで観てません。もしかしたら最後まで観たら傑作映画なのかもしれないけど。

 

ヤるのは簡単じゃんね。ヤらない方が難しいし、だからこそヤらない方が面白いと思うけどな。私なんて昔はどんだけヤれるかみたいな感じで半ば強迫観念気味にヤリまくってたけど、歳とってからはすっごいヤリたい時にどれだけ我慢するかって方が面白いと思うようになったわ。

ってどうでもいい告白しちゃったわ。 

 

あ、田中裕子はものすごく可愛かったです。あといしだあゆみがとっても美しかったです。