中国杯もうちょっと

トマシュ・ベルネルチェコの選手。バンクーバー五輪のことは辛過ぎて思い出したくない。世界選手権は欠場。

いつもいつも解説者にまで、
「潜在能力は素晴らしいんですけどねえ」
と言われ続ける。
去年はあからさまに調子が悪かったのにも関わらず、フランス大会で2位、ファイナルも繰り上げ出場(ジュベール欠場のため)と、頑張ってた。
でも五輪が・・・。

そんなベルネル選手が、中国杯では3位表彰台!
ちょっと慎重な滑りになってた気もするけど、一歩一歩着実に行けばいいんだと思う。笑って欲しい。

ベルネル選手の滑りはいつ観ても、自由自在に滑ってるなあと感嘆する。
他にも滑りの素晴らしい選手はたくさんいるんだけど、当然ながらそういう選手に対しては
「スケートが素晴らしい!」
と思うんだ。パトリック・チャンとか小塚くんとか。これがスケートだあああ!みたいな。
高橋大輔のように踊り狂うのも、滑りながらこの動き!ということに驚嘆する。
ちなみに、「滑れよ(笑)」みたいなのも嫌いじゃない。氷上で走るとか、止まって踊る、とか。観てるぶんには面白いし好きだ。

ベルネルのは、それとはちょっと違う。
地上でもできることを、氷上でスケートの利を活かしてやってるよ、みたいな。一瞬スケートを忘れてしまう。
「スケートでござい」って感じじゃないのに凄くスケートが上手いのはわかるような。
ああ、自分の感覚を上手く説明できない。

自由自在なんだよなあ。氷に吸い付いて離れないのに身のこなしが軽いというか、
そうそう、凄く運動神経の良い人が軽々と跳び箱跳んだりダンス踊ってるのを観た時の感じ。
超絶技巧のピアニストが即興で軽くポンポンと楽しいアレンジを弾いてるのを観た時の感じ。

いつ観ても「こんな風に滑れたら気持ち良いだろうなあ」と憧れるような滑りとパフォーマンスを見せてくれるステキなスケーターだ。

さて中国杯では、私は数いる愛しの選手達の中でもブライアン・ジュベールのことを一番応援しているんだということをまた改めて思い知った。

どこがどうなってあの点数になったのかということが、逆にわかりやすいんじゃなかろうか。
だから、だから、だから!!!祈ってるよ!!!応援してるよ!!!

優勝した小塚くんに関しては、本人がわかってるであろう課題がこちらにも見えてるぶん、あまり心配して観るってことがないんだよな。これは若い選手全般に言えることかもしれないけど。
成長過程すらも楽しめるような、そんな感じ。