祈ります。ペア編・フリー部門その2

完璧に近かったサフゾルも、精神力の強さを見せ付けた川スミも、ようやくいつもの調子を取り戻したジャンジャンも、みんな良かったのだ。
パントンはショートプログラム70点越えをしたことと、明日のフリー最終グループに入れたことが、本当に良かったのだ。

さて、祈りますのタイトルなのに、あんまり祈ってなかった。

今日のお祈り。

全員、良い演技ができますように。

結局どの組が良くても悪くても、観てる側としては一喜一憂して、緊張して鳥肌が立って叫んで泣いて、ぼろぼろになるんだもの。

今日も悪くなかった。でも明日はもっとみんなが笑えるといいな。現段階でのベストを尽くせた!と思えたらいいな。

愛するパントンの演技が今日それほど良く見えなかったのは、トン兄が髪を切ってしまって長髪じゃなくなったから・・・では無くて、緊張し過ぎてあまりちゃんと観られてなかったから・・・でもなく、どことなく硬くなってるように感じられたからのような気がする。

四年に一度の五輪で、今までの集大成の演技を、メダルを、と思えば思うほど、いつもどおりに演技するのは難しいんだと思う。
役者も「いつもどおりに」演技しようと意識してしまった時点で、いつもどおりではなくなってしまうもんな。いつも稽古をしてる時のように気持ちを持っていく、ということが大事だというのは同じなんだろうな。
実際、二人のメンタルがどの程度落ち着いていたか、もしくは波だっていたかはわからないけれど。

いつもの気持ちで、いつもの仲睦まじさで、美しく、強く、優しく、情熱的に滑ることができたら、パントンのフリープログラムは無敵だと思う。

緊張だったら私が、世界中のファンが、いくらでも代わりにするから。緊張するなって言われてもするから。

だから、一昨年の四大陸選手権みたいに、去年のロステレコム杯みたいに、いつものNHK杯みたいに、毎日の練習みたいに、いたわりあって笑いあってリンクに上がって、6分間練習の後には振り返りもしないで後ろ手でティッシュを渡してあげるみたいな信頼感で、リラックマを二人で同じようにかがんで拾ったみたいなシンクロ率で、なんてこと無いレッドカーペットの上を手をつないで渡ってた、あの仲良しな二人で滑って欲しい。

今日も充分仲良しだったから、大丈夫だと思うんだ。

私はきっと明日のフリーも、緊張して鳥肌立って感動して泣いて理性を失いかけながら観るだろうけど、パントンの最高の演技を、明日はきっちりと目に焼き付けたいと思っている。