バンクーバー・男子シングル3

ランビエールの演技終了時の顔を観て、本当に頑張ったのだなという実感がこみ上げた。SPでもFSでも、何とかぎりぎりでこらえた4回転ジャンプに漢を観た。
調子が悪くても、ランビエールのスピンとダンスは値千金だと思う。

そしてジョニー!今シーズンのプログラムの素敵さにはもちろん惚れ惚れだけれど、それ以上に今大会での彼はなんとカッコよかったことだろうか。己と周囲と観ているファンに向けてのセリフは、いつも明るくて優しい。
今まで積み上げてきたものを、ほら、全部できたよ、という感じに見せてくれた。
ジョニーはなんて優しいスケーターなんだろう。
正直に言うと、ジョニーの点数と小塚君の点数だけは、もっと出て欲しかった。しかしながらこれは、あくまで何も資料を見ずに、自分の目と主観だけで言っているに過ぎない・・・。

小塚くんと言えば、滑り出しのポーズを決めた時に少し手が震えているようにも見えた。もしあれが緊張による震えなんだとしたら、そこまで緊張した中でのあの演技ということになる。それはまた恐ろしい。

プルシェンコは、そのあまりに人間離れした功績により、「宇宙人」と愛を込めて1部で言われている。
けれども今日のプルシェンコは、私にはリンクに住む精霊か何かのように見えた。強くて怖いの。
いつもは氷の下に身を潜めているけれど、4年に1度は人間に姿を変えて、愚かで傲慢なスケーター達に、4回転の恐ろしさを見せ付けるのだ。
あんまり怖くないな。

きっと、全盛期の滑りとは全然違ったのだろう。
でも、私には怖くて凄い4回転の精霊に見えた。

ありがとう、プルシェンコ
そして全ての選手にありがとう。
大好きだ。ありがとう。