男子フリー感想・つづき2

小塚君は今回良かったなあ。
まずショートプログラム。今までのロシア杯、NHK杯に比べて格段に良くなってたと思う。ロシア杯で初めて観た時はちょっとギターの音に負けてるなあと思って、次のNHK杯では、アボットが同じくギターを使った曲で先に滑ったもんだから、その適度に重い、溢れる感受性、みたいなスケートと比べてやはり少し軽いよなあと思ってしまった。
もちろんあの、滑ってないみたいにするするすいすい滑る絶品スケーティングが大好きなんだけど、ギターの音に吸い込まれてしまって目立たなくなるような感じで。

それが!今回は負けてなかったのだ!なんだろう、振付変えたのか、滑り込んだから良くなったのか、はたまた気合が入っていたということなのか。

そしてフリーときたら、もう完全に男の顔だった。少年卒業しちゃいましたって感じで、うん、やっぱり成熟していくとスケートはどんどん面白くなっていくんだなあって感じ。
いろいろまだまだなのは本人もよくわかってると思うし、でも今回の全日本の演技は、その成長過程としてものすごく重要な滑りを観させてもらったというか。
いつでも成長途中って感じはしてたんだけど、今回の、明らかに未完成なん
だけどどこかへ向かっていこうとしてる感じというのは、観ていてものすごく興奮した。

小塚君の場合は、いろいろ超越しちゃった高橋大輔みたいなカテゴリの人たちと違って、もっと闘争心を持ってくれたらまた良さそうだなあと思う(いや、高橋大輔にも闘争心はあるだろうけど、もうそこには己との闘いしかみえないもんで)。
他人よりも上にいってやるぞという闘争心。どうかなあ。もちろん個人競技だし己との戦いでしかないんだけど、小塚君はちょっと賢すぎるようなイメージがあって、自分のポジションに納まろうとしてる感がなあ。まあ勝手なイメージなんだけど。
誰よりも俺が!という気持ちが引き上げてくれるっていうのは絶対にあると思うんだ。

ところで今回ものすごくショックだったのは、中庭選手の放送が無かったこと。ショートプログラムで唯一4回転に挑んで、演技もとても良くてスタオベだったと聞いて楽しみにしていたんだけど。

中野友加里さん、引退後はフジテレビに入社するそうだから、フィギュアスケートの番組担当になってくれやしないだろうか。で、カメラワークも指示してあげて。どういうのが求められてる画なのか、って。

CSは中庭君を放送してくれるんだろうか。

それにしても日本男子シングル、来年も再来年も楽しみな感じだ!