全日本・男子フリー感想のつづき

高橋大輔の『道』、私が一番好きなのは、最後のステップと、その終わりの辺りでばばばーんという音に合わせて天に向かって両手をばばばーんと差し上げるところ。大好き。まあ、全体に全て良いのだ。
カメレンゴさん、振り付け最高ですよ!

高橋大輔(とか鈴木明子さんとかステファン・ランビエールとか)に振付するの楽しいだろうなあ。
スポーツ選手と思えないほど踊れる選手は少なくないけど、その中でも特にこう、魂で滑れる魅せるスケーターは、観客はもちろん振付師にも愛されるだろう。

魅力的なダンサーに、ダンサー(というよりも振り付けする人?)は心惹かれる。

かくいう私も魂で芝居する役者は好きだ。自分をコントロールできなくてもいい。稽古場でどんなに苦労しようともお前の為にいくらでも泣いてやろうという覚悟ができる。惚れるねえ。

ましてやトップアスリートの高橋大輔選手。もちろん己をちゃんとコントロールして、あの演技。

テレビで観てるだけであれだけ感動を与えてくれる演技を、昨日生で観られた人は本当にうらやましい。

ほんの2ヶ月足らずでやってくるオリンピック。
ジュベールは、最高クラスの技術がある上、問答無用で会場中を自分の虜にするだけの吸引力がある。吸引力、ホントに。
それから、ドラマチックで美しく、かつこれまた技術に長けたランビエール
そしてもう形容する言葉が見当たらない無敵のプルシェンコ

アメリカは誰が来るかまだ決定していないけれど、現世界王者ライサチェクや、今年猛烈にかっこいいウィアー。涙が出るほど心を揺さぶる叙情性とダイナミックさを併せ持つアボット(あとは安定してさえくれれば・・・)。
調子さえ良ければ・・・といつも言われるチェコのベルネルも(マジで応援)。

その中でも高橋大輔が頂点に立つことは、決してただの夢に終わらないような、そんな予感がする。

本気で、現実的に考えて、高橋大輔は金メダルに最も近い人間の一人だと思う。

織田くんチャップリンメドレーが似合うと言われているけれど、もうちょっとわびさびを感じたいんだよなあ、個人的には。長洲未来ちゃんが15歳でやったチャップリンとは違って欲しい。

でも高橋大輔が光を浴びれば浴びるほど、織田くんは良くなるような予感もしなくもない。悔しがって欲しい。思う存分敗北感と挫折感を味わって、不条理を感じて、どうにもならない怒りや悲しみを全て封じ込めて笑顔でチャップリンをやってくれたら私は泣くかもしれない。