男舞台

高校時代、旭川の演劇部にも小劇場ブームはやってきました。
旭川高校演劇界でカリスマ的存在だったOB氏(後の、私が10余年所属した劇団の座長)が東京から送ってくれたキャラメルボックスのビデオや、誰かが通信販売で買った第三舞台のプロモーションビデオやらを視聴覚室で観まくり、また脚本を読みまくっていました。
私はキャラメルボックスと遊◎機械の本が好きでしたね。
劇団健康は意味も面白さもサッパリわからず読むのが苦痛でした。
そういえば上京してから観たナイロン100℃の芝居も「何故こんな事になってしまうんだろう…」と考えこんでしまい、面白さがわかりませんでした。でもそんな事を言うとセンスの無い馬鹿な奴と思われそうで口には出せませんでしたけど。

第三舞台は、脚本を読むと難しくてうーんって感じだったのですが、ビデオで観た舞台の様子があまりに派手でかっこ良くて、メロメロにファンになりました。

特に男ばっかりの舞台『朝日のような夕日をつれて』の舞台映像には痺れました。しかも長野里美さんという女優さんがビデオの中で、「男だけの舞台。かっこ良くて、いつも悔しい思いで観ています」的な事を言ってるので、その影響もあり余計にかっこ良さが増して見えたのかもしれません。

20代の初めにベラレーヌシステムという演技メソッドに出会って以来、シリアスだろうとコメディーだろうと余計な(わざとらしい)仕草や過剰な顔芸「だけ」に頼るような芝居には興味が無くなったのですが、それでも絶叫系の台詞にぐっと来ちゃうのは、第三舞台が好きだったからなのかもしれません。
もちろんただの絶叫ではなく、そこに魂がこもっているからこそ、ぐっとくるのでしょうが。

ちょっと前に観に行った芝居が「男だけの芝居」でした。やはりかっこよかったです。「女だけの芝居」というのも昔観ましたね。それもよかったです。
何というか、男だけ、女だけというのは、それぞれ独特の濃密さがあって面白いですね。

自分では今のところそういうのをやろうというアイディアは特に無いのですが、9月公演「アマガエル」は、女優さんが全然集まらず「図らずも男だけになっちゃった舞台」になるところでした。
何とか最初の予定通り必要最低限の男女の役者が揃いそうでホッとしています。

今週から始まった日曜21時のTBSドラマ『官僚たちの夏』、メインが男ばっかりでむさ苦しくて非常に面白かったです。

映画『半落ち』も、原作通りの性別で観たかったですな。