発情ロール

発条ロールで検索すると発条ロールシアターのHPが出ますが、発情ロールでも出ることがわかりました。

最近めっきり発情してません。つまり発条もしてません。
溜め過ぎて腐っちゃわないように定期的に放出しないと。こんなだから本番迎える夢ばっかり見るんです。稽古不足どころか1割くらいしか準備のできてない状態で開演時間を迎えて、散々な目に遭う夢を見て、起きてから自分にダメ出しです。
「できてないならないで、対処の仕様があるじゃないか。開演までの30分で最低限お客さんに見せるだけの形にできたはずなのに、なんでそれをしなかったのだ」
なんて。でも夢は夢なので、そんなとこでシミュレーションをしてても虚しいだけなのです。
夢で出しちゃうのも自己鍛錬でもなんでもいいけど、相手がいないと意味がない。自己満足以下です。誰かと一緒にやるのが一番良いのです。
待っててくれる人たちがいます。我々は幸せ者です。もう少しだけ待たせてしまいますが、もう少しだけ、どうか待っててください。


そんなことを言いつつも、今日も今日とてトレント・ハーモンの話題です。

私がトレントを好きな理由が少しわかった気がするこのパフォーマンスを貼っておきます。
"Sharp Dressed Man" by ZZ Top
YouTube

この回のお題は「クラシック・ロック」。原曲を知らないのですが、これは、このトレントの歌はロックか?
すごい。
自分の中にはこういった音楽の素養が皆無だったため、最初に聴いた時はポカンとしてしまいました。
しかし2度3度と聴きたくなる。聴いても聴いても飽きない。めちゃめちゃかっこいい。面白い。
何この表情!動き!声!
すごい。

前回の"Simple Man"がトレントの全てを詰め込んだ最高傑作だと思ったのですが、今回は早くもそれを超えるものを見せられてしまい驚愕しました。
1:40前後では「自分の耳をかじろうとしてるみたい」な顔も見せてくれてるし、1〜2カ所くらい顎を震わせるビブラートもある。
そう、ジョーダンに言われた「自分の武器は隠し持っておいてここぞという時に出すのよ」というアドバイスを、なんと欠点にも応用してきたのです。
いや、もともと変なクセだと指摘されたものは実は欠点ではなくて、トレントの個性でありそれを愛す人たちも少なからずいたのです。でも多用するとただの無意識のクセの露呈になる。
それらをここぞという時に出すことができた時に、それは変なクセから個性的な見せどころに変化するのです!すごい!
だからってそれを意識しすぎたつくりこんだパフォーマンスでもない。しっかり感情の渦が主導権を握っている。
動きも全体にいいのですが、特に2:00くらいからフィニッシュまでの身体の動きはもう最高ではないですか。

で、この変な動きを見ていてなんとなく加茂克の芝居を思い出して、
「ああ、だから私トレントのことも好きなんだなあ」
と、妙に納得してしまいました。

変な動きをしようとしてしてるんじゃなく、そこにはただシンプルに彼らの情熱がこもっているのです。
だから好きなのです。

合点がいった。


もうひとつ。この日のお題である「SIAの曲」。
“Chandelier"
Trent Harmon - Top 4 Revealed: "Chandelier" - AMERICAN IDOL - YouTube

これはもう何一つ文句のつけようのないパフォーマンス。
美しくて、優しい歌。切なくなるような声。でもしっかりと芯がある。

アメアイ視聴仲間と、このパフォーマンスについて語りました。その人はトレントのクリアボイスが大のお気に入りなため、この曲の冒頭のエッヂのきいてない感じがちょっと気になったとのこと。
でも何度か聴いて、これは意図してこう歌ってるのだとわかって好きになった、と。まるで子守歌のように優しい、と評していました。なるほど。
私もトレントのスーパークリアな声が好きです。声を張らすに静かに歌っていてもしっかりとはっきりと聴こえるくらいの強くて美しい声。
でも確かにこのエッヂをぼかしたような優しい音も好き。
裏声も好きだけど、裏声を使わない高い声も大好き。

ジェニファー・ロペスも講評で言っていましたが、歌う曲によってまったく違う顔を見せてくれるのが驚きです。
すごい。

フィギュアスケータートマシュ・ベルネルの滑りを見ると「こんなに軽やかに自在に滑れてさぞや楽しいだろうな」と思うのですが、トレントを見ても同じようなことを思います。
「こんなに軽やかに自在に歌えてさぞや楽しいだろうな」
トレントは、歌うことで幸せになれる人だと思います。そして、聴いてる我々も幸せになれて、みんな幸せ。いいこと尽くし。


ちなみに今回はスティーヴン・ヴァン・ザントとシーアが指導をしてくれたのですが、私の好きなトレントのレッスン風景が今回も見られました。
相手がどんな人でも、ただアドバイスを受け取るだけじゃなく相手とキャッチボールをして作品をつくるところが私は大好きです。
トレントは本当に音楽が好きなんだろうなあ。歌うことが好きで、音楽と向き合う時にはただシンプルにいい作品をつくることだけを考える人なんだなあと。
ストイックとか硬派とかいうんじゃなく、自分にとって何が大事なのかはっきりしてる人なんだなあと思って。


私が一緒に芝居を作っている人も、そういうシンプルなはっきりした人なのです。

ジャンルは違えど、やっぱり好きになるわけだなあ。


アメリカンアイドルファイナルシーズンも、とうとうtop4が決まりました。本国ではもうtop3が決まっていて、今週はいよいよフィナーレを迎えます。えっ、もう?早いよ!
ドキドキします。怖くて。
誰が落ちても悲しいし、誰が優勝しても納得できる。それくらい、今残ってる4人はお気に入りの人たちです。
ラポーシャが優勝しないなんて、そんなことがあっていいの?と思うし、
マッケンジーの才能は類稀なものだと思うし、
ダルトンにだって揺るぎない才能があって、更に人の心をきゅんとさせるあのキャラクター。
そしてトレントは、
トレントには、この先もずっと歌を聴かせてほしい。たくさんいい曲を書いてもらって、そしてそれを自由に楽しく歌って、私たちに幸せを分けてほしい。

そうか、ステージというのは自分の幸せを分け与える場でもあったのね。