シンプルマン

トレント・ハーモン、top8からtop6への生き残りをかけたパフォーマンスがこれ。先々週。

"Stand By Me" by Ben E. King
Trent Harmon - Top 6 Revealed Solo - AMERICAN IDOL - YouTube

ジャッジからの講評は(※誉め言葉は割愛)、
「ポーズを決めるより魂をこめた歌を歌うのが主だ。演出に頼りすぎるな」(キース・アーバン
「スーツもカウボーイルックも好きだけど、素朴な服の方がより心の叫びが伝わる気がする」(ジェニファー・ロペス
「リズムが表面的になっていた。こんな感じでとるといい(やってみせる)」(ハリー・コニックJr.)
服装に言及した際に「これはバージョン2.0の僕」とか、また訳のわからない面白発言をしていたトレントですが、講評はもちろん真剣な目で聞いていました。

そして、その翌週。日本だと先週の土曜放送分がこれです。

"Simple Man" by Lynyrd Skynyrd
Trent Harmon - Top 5 Revealed: "Simple Man" - AMERICAN IDOL - YouTube

今まで言われた、
「顔のクセがひどい」
「顔のクセを気にしすぎるな」
「ビブラートの使いどころを見極めて」
「自分の武器は隠し持っておいてここぞという時に使うの」
「完璧なステージじゃなかった(※誉めつつも)」
などなどのダメ出しを、全てクリアして積み重ねてきた成果がここに現れたようなパフォーマンスでした。
いや、クリアしただけじゃない。
もともとの自分の特技、才能を更にレベルアップさせ磨きをかけたような。
例えば、高音は更に美しく、高くも低くもないような自分の得意じゃないであろう音さえもすごく綺麗に出すようになったなあと。
毎日のようにトレントの地方予選からの映像をリピートしまくってる私はそう思うのです。

アメリカンアイドルを観ながらいつも芝居の事を思ってしまいます。
例えばダメ出しの聞き方。
ダメ出しってのはつまり客観的に見ている人間からプレイしている人間に気付いたことを伝えているだけなので(少なくとも私はそう)、シンプルに単純にそれを受け止めればいいだけのことなのですが、ダメ出しを聞くのが苦手だとその単純な受け止めができなかったりします。
受け止めたことをどう解釈して何をどう試すのか、それで何を見つけるのか、見つけたことでどう変えるのか、あるいは変えないのか、変えてから戻すのか、などなど。それらはダメ出しを聞いた後、つまり外部刺激を受けた後に、自分ひとりでやることなので。
なので外部刺激はなるたけ自分の固定概念、先入観を持たずに受け止めるほうがいい。

そんでもってその繰り返しを経て役者の個性、もっと言えば役者そのものができていく(ただし稽古場以外でのほうが役者をつくるための時間の割合は大きい)と思うのです。

まあ細かい理屈はさておき、歌でも芝居でもなんでも一緒だなーなんて、アメリカンアイドルを見てて思うのです。
ちなみに私はハリー・コニックJr.の講評が一番よくわかります。共感できるし、私もこういうこと言うなーとか、私も喋ってるうちにこうなったりするなーなんて思います。冷たいのも意地悪なのも喜んでるのも感動するのもすごくよくわかる。

要するにトレントは、持って生まれた才能に加えて講評の聞き方が上手いんだなーと思うのです。だからこんなにめきめき成長してくんだなあ。
己の意図通りの表現ができるってこと自体、まず素晴らしい能力だと思うし。

つまり私はトレントが好きだなあと。
歌も、トレント自身も、すごく好きだなあと思うのです。
好きな役者やスケーターを見てる時と同じ気持ち。
いい役者と一緒に芝居つくってる時と同じ気持ち。
ああ、幸せ!

ところでこの日は、視聴者がリクエストした曲を歌うというお題でした。
2曲歌ったうちの、トレントの1曲目はこれ。

"Counting Stars" by OneRepublic
Trent Harmon - Top 5 Revealed: "Counting Stars" - AMERICAN IDOL - YouTube

トレントらしからぬ、なんというかズバリはまってない感じに初見ではショックを受けました。そしてジャッジの酷評…。
しかし勇気を出して見返してみたら、思ったより悪くなかったしジャッジの評価もそこまで悪くなかったのでした。

うーん。でも「悪くないけどね」なんて感想は…やっぱりショックかな。
今まで選曲をはずしたことのないトレントの、これはなかなか珍しいパフォーマンスでした。

日本では土曜にtop4の発表です。なんとなく想像はしていますがどうなることか。
そして本国ではまもなくtop3が決まります。
いよいよ大事な局面に差し掛かるので、先の展開を知ってしまわぬようyoutubeのチェックもひとまずお休みして、ドキドキしながらフィナーレを待つことにします。

とにかく1曲でも多くトレントの歌を聴きたい、そしてこの先もずっとトレントの歌を聴き続けたい。
要は決勝までいってほしい!いい感じでデビューしてほしい!いい曲つくってもらってほしい!永続的に!

願いはただそれだけです。

そういやハリー・コニックJr.もフィギュアスケート観るのね。トレントサム・スミス歌った時にスケートに例えた講評してたわ。