あれからの日々

発条ロールシアター第11回公演「ラブホテルインブルー」、無事に終演いたしました。
ご来場くださった皆様、出演者、スタッフさん、お手伝いくださった皆様、全てに感謝でございます。遅ればせながらお礼申し上げます。ありがとうございました。

ゲネプロ(本番同様のリハーサル)が終わって、そこから客席づくりをギリギリまで全員でやって掃除して汗だくになって、何とか初日の幕が開いた時の安心感は忘れられません。
これでようやくスタッフワークから解放される!後は思う存分演じてちょ、みなさん!とな。
このギリギリ感とこき使い度は大きな反省点であり、要改善点であります。

さて、本番が終わり朝まで飲んで、それから私がどうしてたかといいますと。
珍しくちょこちょこ動いておりました。
そんな訳で今日はフツーに日記です。

月曜日:寝て起きて事務処理。
火曜日:事務処理つづきと、加茂克と今後の打ち合わせ。これだよ、これ。半年後、待ってやがれ。
水曜日:タイニイアリスのオーナー丹羽さんとお話。物凄くタメになる話から海外の演出家のゴシップまで(笑)演劇界の今むかし。いろいろ聞けて楽しい時間を過ごしました。

そして今日からの予定は、
木曜日:お笑いライブ観に行って、
金曜日:知り合い大量出演のイベント的舞台観に行って、
土曜日:音楽ライブ観に行って、
日曜日:お芝居観に行って、その足で精算会。

です。滅多に出歩かないのでここぞとばかりに外出アピール。

そういえば今回の芝居の感想を読んでいると、「自分は主人公の梨垣そのものだ」と仰ってる方が多くて。若者も中年も、自分は梨垣だ、と。
しかしながら当然のごとく、こうしてお芝居に足を運びそのお芝居に心動かされる感受性を持ってる時点で梨垣とは大きく違う訳で。
ただ、「自分は行動できているだろうか、ちゃんと日々を生きているだろうか」という自問自答がある故の「自分は梨垣だ」につながっているのだろうなと思います。
そして、ナナが梨垣に言った「扉を開けてみなきゃ何があるかわからない」という言葉。有りがちではありますが普遍的でもあるこの言葉を、心に残してくれるお客様も多いのだなと。

かく言う私自身も、自分は心を閉ざした梨垣であり、不器用な水原であり、カリカリしつつも人と関わりたがる火野であり、楽しくありたい土屋であり、好き嫌いと目的がハッキリしているナナであり。
宝田には憧れを抱き、あと20年で賽野のようになれたらいいなと思い、風間のような婆さんには労せずしてなれるだろうなと確信し。
どの登場人物にも自分を重ねつつ、やはりナナの「自分から飛び込んでいく冒険小説が好き!」という言葉を自分の指針にするのであります。

っつーか、大して深く考え抜いた訳でもないんですよ。ナナの言葉なんて。
ぱっと浮かんで書いただけの凡庸なセリフです。それを自分の指針にするとか、どんだけ自給自足なのよ、私。
まあ、言葉に意味をもたせるのはそれを聞いた側の人間ですから。
どんな些細な言葉でも、どんな有りがちな言葉でも、それを宝物に、あるいは自分を照らす太陽にできるのは、それを聞いた人間だけです。

この世にある言葉は全て、どれも、大したことなんてないんです。
それでもそのつまらない言葉たちの中に光を見つけて大事にしていける人生こそが幸せだと、私は個人的に思っております。

いつもとちょっとだけ雰囲気の違う発条ロールシアター、いかがだったでしょうか。
次回作はどこかに行くんでしょうか、行かないんでしょうか。
場面は変わるんでしょうか、変わらないんでしょうか。

半年後、また皆様にお会いできましたら幸いです。