行きつ戻りつ

途中でふと、
「これ、何が面白いんだろう」
と思ったりする。
基本的には自分の作品は全肯定するおめでたい人間なのだけど、時折そう思ってしまうことがある。

稽古場で役者が演じてるのを見ても、
「やっぱりこれ全然面白くないかも」
と思い(私が自分の意図を伝えるのが下手なだけ)、
どうしようどうしよう部分的な問題じゃなく根本的にもうこの話自体がつまらんのかもなんて思い、どうしたらいいのか悩みまくり部屋にこもって書き直ししまくる。

が、直した本を渡すより前にもういっぺん稽古場で観てみたら

「何これ、これ最高に面白くない?」
と思って、成功を確信したりする。

役者がいいのかしら。いや、私の脚本がいいのね。あるいは演出が素晴らしいのね、いや、やっぱり役者の想像力の勝利ね、とか。

その繰り返し。
役者には日々新しいことに挑んでほしいし、私は客観的に見続け創作しつづけなければならない。
それでも停滞することもあるし、よくわからなくなることもある。
その繰り返し。
つくっては壊し、組み立ててはぶっ壊し、
その繰り返し。
このクソ無駄に思える繰り返しを本当に無駄だと思ったら、私はとっくに芝居なんてやめてるだろうなあと思う。

まあ、ほかにやることもないし。
今回も飽きもせず繰り返し繰り返し、創作してゆきます。


パンティ泥棒と、それを追う男の物語「フィーリアル」は、11/3(木)〜6(日)、阿佐ヶ谷アルシェにて上演です!お楽しみに!

http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=78044