今さら何を…
何を今さら、と言われるかもしれない。そんくらい崩壊してるんである。
何がって?
世の中の一夫一婦制がである。
1.恋人がいるのに合コンへ行く。まあ構わない。たかが飲み会だ。
2.狙いを定めて「おっ。好みだ」と思う。まあ良し。好みのタイプがいたら心踊るさ。
3.「付き合ってる人いるの?」と聞かれる。「いない」と答える。重罪だ。嘘はいけない。聖書にもあるではないか。
4.連絡先を交換する。微妙だがセーフ。友情に発展するやも知れぬ。
5.手をつなぐ、キスをする、セックスする。………。
いや、分かるのだ。分かってしまう。トキメキたいのだ。何だって一口目は最高に美味しく感じるのだ。
虎視眈々とチャンスを窺い、あわよくばこいつとセックスをしたいと願う。
その欲望を理解してしまう私が言うのも何だが、何故それが過半数を占めてしまうのだ?
いえね、10代から40代の男女へのリサーチ結果でですね、ばらつきはあるものの、平均すると半分を超えてるわけですよ。浮気経験が有る、って回答が。
辛くなる。
帰りたい。男に幻想を抱いていたあの頃に。
帰りたい。彼氏以外との行為なんて汚らわしいと信じていたあの頃に。
いっその事フリーセックスにすれば良いではないか。多夫多妻制。というか、そもそもセックスに重きを置かなければ良い。やりたい時にやりたい相手とやりたい事をやればいい。何だかリンカーンの言葉みたいで良いではないか。
そうだそうだ、好きにすりゃいい。
モラルは死した。もう何の罪悪感も持たずに恋人以外の相手に積極的にモーションをかけるのだ。恋人のいる人間に押せ押せでモーションをかけるのだ。
だがな、例えそうなったとしても、いや、そうなったら尚のこと、心を手に入れるのは至難の技になるぞ。
人間の愛情は、限られた量しか配されて無いのだ。
例えセックスしかしない間柄であっても、自然に愛情は消費される。
一番に愛したい人間に、最良にして最大の愛を与える事ができなくなった時に初めて後悔するだろう。
あー…無駄撃ちしなけりゃ良かった、と。