面白いと思っていること

夢を見るのが楽しい。そこは物語の宝庫だ。

目覚めた時に、今日見た夢の話を思う存分反芻し、そして構成しなおす。それは私にとって、至福の時間である。そうして、どこかに書き留めておいて後日そのメモを見ながら文章を組み立てていく。
これが私のズボラ創作法である。

自分の夢の中に出てくるくらいだから、昔どこかで見たことのある映画のストーリーとか、自分の今おかれてる境遇とシチュエーションが似通っていたりするのが常だが、それは別に正気の時に軌道修正すればよいのだ。だって、どうせ夢の中だけで完璧に作品が仕上がるなんてことはないんだから。
不完全な、それでいて奇想天外な夢の世界をヒントにしてどんどん物語が展開していくのは快感だ。
人からもらった原案を元にして書くような、とても楽チンで楽しくていいとこどりな、そう、好きな作品の同人誌を書く漫画少女のような気楽な気分。

私は本当にストーリーテリングの能力に欠けていて(だからと言って表現力が素晴らしいとか構成力に長けているとかいう訳でもないのだが、まあ、自分の中での比較の問題として、その能力が一番低いと思っている)、創作者としては致命的な訳なのだが、ざっと元にあるストーリーさえありゃ、もう9割できたようなもんで。

つまり、主題はあるのだ。これを伝えたい!というものは、いつでも私の中に流れている。だが、それを伝えるための媒体、エンターテイメントを生み出す能力が無いので、夢という深層意識さんにその仕事を託しているのだ。

一人で二人、みたいなね。

さて、そういった訳で夢に頼っている私には、なかなか傑作なんて書けるわけが無いという、そういうお話である。