和田慎二先生

虫の知らせとか、そういったものでは無いんだろうけれど。

昨日だったか一昨日だったか忘れたけれど、ふと『スケバン刑事』が読みたくなった。神恭一郎が雪山から生還した時の場面が突然よみがえって、そこから、美尾さんをパートナーに訓練をする場面とか、それぞれのキャラクターの最期とかラストシーンを思い出して、物凄く面白い漫画だけど、ちょっと登場人物とのお別れが多くてあまり読み返せない漫画だよなあなんて思い出していた。
特に三平が好きだった私は、三平がサキに振られたことでまずショック、その後の結婚初夜の場面で壮絶な大ショックを受けたのを覚えている。
その後、沼先生がジミーに向かって怒鳴りつけるところで、三平がいかにサキの中で大きな存在だったかを語るもんだから、嬉しさ半分、再び思い出す悲しさ半分で、胸が痛かった。
ドラマ化の話を聞いた時には小学生ながらにして、
「無理だって。やめとけって」
と思ったものだ。沼先生が学園コメディよろしく「こらー!」なんてやってるのも、サキと母親が温泉旅館で「たまにはこういうのもいいわねえ」なんて和んでるのも全然ほほえましくなかった。

姉が和田慎二先生を好きで単行本をたくさん持っていたので、こっそりそれを読んでいた小学生時代。
姉のおかげで昔の読みきりもたくさん読めた。自分をドン・キホーテだと思ってるお爺さんの話、いい話だったなあ。
『ホラー・リザレクション(恐怖の復活)』はマジ怖かった。でも、怖過ぎて印象に残りすぎて、よく一人でミイラに追いかけられるごっこをやっていた。インド雑貨屋さんとかに売っているごつくてごろごろ石がついてる腕輪に惹かれるのも、この作品の影響かもしれない。

その後自分で買い集めた『怪盗アマリリス』は、昔の作品に比べて随分平和で安心して読める話だと思った。主人公よりも、ライバルの黒髪のアイドルが好きだったなあ。乙女なとこが可愛かったんだあ!アイドルなのに何故か必殺技覚えちゃったりしてなあ。

ヘビーな話も可愛い話もどれも面白くて大好きだった。何度も読み返した。

私を育ててくれたたくさんの作品。それらの生みの親である漫画家・和田慎二先生の訃報は、あまりにも突然であまりにも衝撃的で、それは作品の中でお別れして行ったキャラクター達との辛い思い出までも呼び覚まして。

今、ただ悲しいばかりだ。