押入れの中のものたち

我が家(兼、劇団の事務所)の押入れには衣装と幕が詰まっております。

その内訳は、ひたすら作業服と着物。後は80年代みたいな変なシャツとかおじさんおばさんの着るような服。そんなのばっかりです。
特に作業服と着物はどこか困ってる劇団さんがいたらどんどん貸してあげたいくらいの量です。
作業服も着物も汚しをかけているものが多いので、屋外作業員とか江戸時代の農民とかにしか使えませんが。
あと長靴!と、ヘルメットとわらじ!
発条ロールシアターを毎回観に来てくださっているステキなあなたにはお分かりでしょうが、昨年上演した『ワンドロップ』で買ったものたちです。これらが嵩張るのなんの。

思えば第一回、第二回の公演の時には、舞台衣装だの舞台小道具だののレンタル屋さんにすっごいお世話になってたのですが、いつの間にかそういうのもなくなりました。経費削減ではありません。ネットオークションやらでいろいろなものが手に入るので、じゃあ買おう、というだけのことです。けっこう無茶したり手を加えたりもするので。

たまに衣装どうでもいいやっていう演出家さんがいますが、私の場合は衣装ひとつに対してもなるべく知恵を絞ったり手間をかけたりしたいです。
手間もお金もかからずにドンピシャなものが見つかるならそれに越したこと無いのは言うまでもありませんが。

スタッフワークをちゃんと分業できる形態にしている集団ならば当たり前のことですが、発条はそのへんが足りてないのでたまに手が足りなくて途方に暮れます。
でも年に2回しか公演が無いんだし、可能な限りこだわりたいじゃん、と。そしてこだわった上での断腸の思いでの妥協があったりして、それもまた良しです。悔しいけど。で、次回はその悔しさが無いようにもっと頑張る。そういうのが個人的には好きです。
単に私の、というか発条の哲学ってだけで、みんながみんなそうではないだろうしそれぞれですが、まあつまるところ芝居が面白けりゃなんだっていいんですよ。

幕も、ちょっとした小さな劇場だったらオール持込で何とかなるんじゃないかなってくらいの分量があります。
これは何となく集まってきたもので、しかも毎公演けっこう使うんで処分もできません。

そんな訳で押し入れには、衣装と幕と、更に本棚には到底入りきらない大量の本(漫画、小説、資料、もろもろ)が詰まっています。

部屋を広く使うべくドラえもんよろしく押入れで寝ようと思ったのですが、スペースを空けるのはなかなか難しいです。