拷問和装

九月にお芝居に出していただく事になり、連日稽古の日々である。鈍った体を起こすべく自転車で稽古場に通っている。所要時間、片道平均40分程。ウォーミングアップにはなる。
劇中にはちょっとしたダンスと殺陣もあるし、加えて日々の筋トレとストレッチ。一年半ぶりのお芝居はなかなか肉体勝負である。

がしかし、何よりも私の肉体を痛め付けるものがある。
それは和装だ。

今回の私の衣装は和服。それも手抜き無しのきちんとした着付けで日常を過ごしている役である。
稽古の大半を浴衣で過ごし、内股で歩けだの足を閉じろだの脇を上げるなだの苦行を強いられている。普段やってる動きの真逆では無いか!!

着物を着てると、いかに女が不自由な衣服で拘束され活動を制限されてきたかがわかる。女を「奥さん」たらしめて家の奥に閉じ込めていた和装文化は、コルセット、てん足に並ぶ悪しき風習といえるだろう。
洋装が日本に入ってきた時、みんな喜んだだろうなあ。

きちんと振る舞った和装の殺陣は素晴らしく美しいし、着物の魅力もわかるのだけどね。

毎回浴衣を着ては女性論を打ち、そして反動から普段のお行儀がますます悪くなっていく私であった。