吐き出し

先週末のカップオブチャイナは中国なので時差もほとんど無く、日本の自慢の五輪王者の出演も手伝ってか放送時間無制限でゴールデンタイムでの放送がなされ、更にはたまたま私の予定が夜なーんにもないという偶然の重なりにより、テレビ放送をリアルタイムで観ることができました。
パソコンは故障してる(音が出ない)しBSもCSが観られない私にとって、今や地上波放送だけが頼りなんであります。
スケートアメリカエキシビション、ウキウキして録画を観たらまさかのGG、ラジオノワ、町田くんのみという驚愕の放送にも心穏やかに接し、それはそれは有難く視聴させていただいたわけです。

さて、予想してたとはいえ羽生くんの映像挿入し過ぎだろ!他の選手のキスクラ映せや!など不満はありつつも楽しく観ていたところの、あの事故です。
ゆるい気持ちでツイッターやりながら観ていたのもあり、一人で抱えきれない不安をそのままツイッターに吐き出しつつ状況をただ見つめていました。
衝突の瞬間の後の、二人が動けずにいる時間の恐怖、そのあとようやく起き上がった羽生選手の、顔?を押さえてる様子の恐怖、リンクの外に横たわるハンヤンの、まったく動かない様子の恐怖、でも一番おそろしかったのは、羽生選手がふらふらしながらリンクに出て行ったところでしょうか。
スケートファンの、
「滑るな、誰か止めろ!」
という怒りというか焦りというか、切迫した声がどんどんツイッターに流れてきました。

信じらんない、やめてくれ!と私も激しく願っていましたが、しかし今冷静に思い返すと羽生選手が棄権する図というのはまるで想像できないのです。恐ろしいことに。
でもね…やめてほしいですよ、ああいう局面では大事をとって欲しいです。

頭打った、っていう場合はもちろん、他のケガでも。

今回の動揺の中で真っ先に思い出したのは、中野ゆかりさんのジャパンオープンでの転倒です。明らかにどこか痛めたような様子で。解説の八木沼さんの「無理しないで…!」という悲痛な声とともにあの光景が蘇ります。大事な五輪シーズンの開幕戦での出来事でした。
五輪の前シーズンくらいだったかな?ナンソンくんが脳震盪やらむち打ちやら、ものすごいひどい状態になった時の衝突のことも思い出しました。これも五輪前の重要なシーズンの事故で…つらかったです。本人や周囲の人々や特に応援してるファンの気持ちを思うとこれまた…。
だからって、大事なシーズンじゃなきゃいいのかってことでもないんだけど。

ケガは嫌です。時間をもとには戻せないけど、せめてそこから少しでも早くそしてしっかりと治ることを祈るばかりです。
少しでも長く滑っていて欲しいし、競技生活を続けるからにはいつでも本人のその時その時のベストな状態でいて欲しいし。もちろんリンクを離れた先の人生だって元気でいて欲しい。

なのに、もう!!!
なんで滑るんだよ!そして、滑らせるな!!!
怖いよ!!そんな破滅的でいられちゃたまったもんじゃないよ!

ハンヤンがリンクに出てきたところでは目を疑いました。
もう跳ばないで!どうしてもっていうんなら滑るだけにして!そのびゅんびゅん快速スケートっぷりを見せてくれるだけでいいよ!跳ぶな、スピンするな、方向転換するな!急停止するな!と…。
ほんと、万全の状態で滑る姿を早く観たいと思うプログラムでした。つらい。
無事でいて。日本のテレビのインタビューなんて無視していいから安静にしてて。


羽生選手にもハンヤン選手にも、どうかどうか一日も早く良い状態に回復して欲しいです。羽生くんの精密検査ってこれからだっけ?ハンヤンのほうは大丈夫っつってるけど、ホントに?大丈夫っ?とまだまだ心配は晴れず。
日本の選手と中国の選手ってすごい無茶するイメージあるから心配(トリノのジャン&ジャンとか、川口悠子さんとか)。あ、でも他の国にも無茶する人たちいるなあ。寒い国とか特に。

ハンヤンは、中国の男子シングル期待の星だと思います。他にも有望な選手達はいますし好きな選手も他にもいますが、ハンヤンが特別な才能を持ってる素晴らしい選手であることに間違いないです。
そして、私個人としてもかなり好きな選手なのです(みんな好き)。
まだまだこれからだなーって部分がありつつも、惚れ惚れする!って部分があって、ヤキモキしつつも驚嘆し感動するような、観ていて楽しい選手です、私にとって。スピード狂だし、大きいジャンプ愛好家だもの。そりゃハンヤン好きになりますって。

ところで、もともと中国のペア、パン・トン組が好きなところから広がって他の組やらシングルやらアイスダンスやら、中国選手たち万遍なく好きになったのですが、
まあ…そんなわけで、国と国のデリケートな問題などを考えると時折、ほんのたまにだけど、
「あー、日本人じゃなきゃよかったなあ」
と思うこともあります。
まあ、たまにだけど。そして他の国なら他の国で、また別のデリケートな問題があったりするわけなのでしょうが。
けどね、自国の中に、自分の好きな選手の国や人に対して口汚く罵る人間が少なからずいるというのは、嫌なものです。
それは韓国の選手を応援してる時にも思うことではあるけれど。

とは言え日本の多数のまっとうなスケートファンの、完全に国境を越えた応援っぷりは非常に心地よいので、やっぱり日本人で良かったかな!

そういえばテレビで観てて、羽生くんがリンクに出てきた時の観客の大声援どうなのよって思ったけど、前にNHK杯生観戦してる時にペアの川口悠子さんが試合中に転倒して脱臼したけど、本人が続行を決めたらばやっぱり声援送ったもんなあ。すっごいハラハラしたし。それも五輪シーズンで、どうか大事ありませんようにと祈りつつ。
まあ脳震盪と脱臼じゃ非常度は違うかもしれないけど。選手生命ってことを考えたらやはり何においても大事にしてほしいです。

何かに熱意を傾けてる人達というのは、言ったって聞きゃしないのでしょうが。

というかアスリートに限らず、そしてどんなに大人でもどんなに経験を積んでてもどんなに頭が良くても、予期せぬ事態が起こった時に必ず本人が冷静に判断できるとは限らないと思います。
今回は若い選手二人の事故でしたが、ベテランだろうとなんだろうと、やっぱり周囲が大事を取ってほしいなあと思うのです。
私、心配性?
心配性かもなあ。
でもよってたかって何かやってんだから、周りに人がいるんだからさ。知識があったり判断力があったりする人達がいるはずなんだからさ。

生きて元気でいてこその、感動だと思う。
別に感動とかどうでもいいけど。そんなもん受け取り手の主観の話だし。


二人とも、どうか大事ありませんように。