気持ちのままに

今日はカテゴリタグをつけずにひっそりと。
しかし相変わらずロング日記です。

感情がわーっとなってる時に日記を書くとろくなもんにならないのはわかってるのだけど、こういう気持ちを心の底に埋もれさせずに書き残しておくのもたまには良かろうと思って書いてみます。

タグつけていませんが、フィギュアスケートの話題です。フィギュアに興味の無い方は読んでも楽しくないというか、おそらくそういうしょうもない日記になるかと思います。
フィギュアに興味のある方にとっても、特に何か面白くはないでしょうし、それどころかもしかしたら不快に思うかも知れないです。
まあ、そういう個人的な感情のダダ漏れな日記です。


特に、羽生選手の金メダルに対して少しも水を差されたくない、という人には読まずにいてほしいです。
と言っても、私も羽生選手の金メダルはとても嬉しいし、おめでとう!という気持ちでいます。

ただ、私はパトリック・チャンに、金メダルをとって欲しかったです。他の選手の話はまったく関係無くて、ただパトリックに金メダルをとって欲しかったというだけです。
羽生くんもハビエルもテンくんも町田くんも高橋大輔も誰も関係無い話です。なんか変かもしれないけど。

どうかどうか誤解されることがありませんように。


正確に言うと、金メダルはこの人が取るかもという予想はしていました。
パトリックか、羽生くんか、ハビエルか、(棄権する前は)プルシェンコか。
高橋大輔か、町田くんか、とも思いました。このへんまでは、普通にあってもおかしくないと思っていました。
実は(人に言ったら笑われるかもしれないけど)、ブライアンが金メダルを取ることも、ジェレミーが取ることも、そんなに夢物語のようには思いませんでした。充分有りうるんじゃない?と。
この2人については、金は言い過ぎでも銅メダルくらいならあるかもと本気で思っていました。ただ、金メダルだって絶対に無いってことはないでしょ、フィギュアは五輪は何が起こるかわからないし、と。

テンくんとトマシュに関しては、潜在能力的には取ってもおかしくないけどあまりそのへん考えてはいませんでした。うーん、今季の試合であまり好調なところを観てなかったからでしょうか(ブライアンは例外)。

あ、気持ち悪いファーストネーム呼びをしちゃってますが、今日だけです。何故かパトリック呼びが自分の中で定着しつつあるのでついうっかり他の選手もどさくさまぎれに読んでます。
日本人は呼びません。テンくんもテンくんなので呼びません。

とにかく、そんな感じで予想してました。
予想というより願望です。

SPが終わってからは、ジェイソン・ブラウン選手がかっさらっていっちゃうのもあってもいいんじゃない?なんて思ってました。
と同時に、羽生くんから13位のトマシュさんまで、まあここまで来ると点差は20点近くあったのですが(18点かな?)、なんかとんでもない事態が起きて誰が金メダルをとっても驚かないなと思ってました。

実際とんでもない事態は起こりました。
ただ、あまり良くない方向でした。

下位からの猛追撃と、それを迎え撃つ羽生くん、そしてやっぱり強かったパトリック!さあ、金メダルを手にするのは誰だ!
みたいなのが…良かったですよね…。
確かに誰がとるの、みたいな雰囲気にはなりましたが、ちょっと思ってたのと違った…。

全世界が同じ気持ちで見守るような試合でした。ううううう、という感じの。


でも待って!ああ良かった、という瞬間は実はたくさんあったのです!
例えばブライアン。また改めてじっくり語りたいですが、今回のブライアンは最高に素晴らしかったと思います。ブライアンのクワドは最高です。ステップも最高です。スピンも最高です。いや冗談じゃなく、私にとっては最高です!パフォーマンスの全てが特別です。誰よりも強くて誰よりもかっこよくて誰よりも人気者で、このへんは多分ファンの贔屓目じゃないと思います。ブライアンはスーパースターであり、アスリートオブアスリートだと思いました。私はブライアン・ジュベールを好きになって本当に幸せでした。全てのファンがそう思ったはずです。

ジェレミーは、世界一ステキなスケーターだと思いました。大好きな選手は他にもいるけれど、アマ・プロ全てのスケーターの中で、私にとっては一番ステキなスケーターはジェレミーです。FSはもちろん、あの悲痛なSPですら、転倒したことを忘れさせる芸術性。本当に稀有な才能だと思います。最後の五輪でジェレミーも本当に強い姿を見せてくれました。尊敬します。

町田くんは辛かった。辛すぎた。町田くんの良さを全世界に見せつけたかった。町田くんの努力が点数という形で報われる瞬間を見たかった。ただ、中盤のスローパートからどんどん調子が上がってきて、クライマックスは最高の火の鳥に見えたと私は思います。そして実は点数的にも銅メダルまであとわずかだったわけです。そう考えたら決して悲観するものではないのでしょう(って、私が勝手に悲観してるだけだ)。本人はいろいろと課題を見つめているかと思いますが、少なくともファンにとっては本当に誇らしく思える演技だったと。

そういえばSPで驚異の団子状態だったので、最終結果もかなり僅差の点数だったようですね。

高橋大輔は、私は実はあのビートルズメドレーにはどうしても心動かされない(ぶっちゃけ好きじゃない)のですが、高橋大輔の滑り自体は最高レベルに近かったんじゃないかなと思いました。好き嫌いについても、単に私がくどくて派手で見栄を切るプロを見たかったというだけな気もしますし。
単純に、ビートルズメドレーは「今シーズンで終わりです」感が強くて、試合で観るには私は物足りなく感じました。でも、繰り返しますが滑りはとても良かったです。
最後のインタビューの表情も、本当に美しかったです。それが見ていて寂しくもありましたが。

考えてみたらブライアンがSPとFSでクワドをきっちり決めてくれて、トマシュもクワドも決めてくれて、ジェレミーとまっちーと高橋大輔がジャンプミスがありながらもプログラムの世界に引き込む滑りを見せてくれて…
もしかしたら、これって申し分ない試合だったのではないでしょうか。そんな気がしてきました。

ハビは、こちらも私が個人的に今季のプロがあまり好きじゃなかったせいもあるかと思いますが、実際なかなか思うようにいかなかったというか、精彩を欠いたように見えてしまいました。でも決めたクワドは流石でした!
うーん、悔しい!どうよ!っていう滑りを見せたかったよねえ、ハビー…と、馴れ馴れしくも心の中で呼びかけてしまいます。

順番めちゃくちゃですが、さて羽生くん。4サルコウはさておき、トウループはもう相変わらずジェットエンジン搭載、って感じでした。ただ、前半のジャンプミスよりも、後半の動きがヘロヘロだったほうが気になりました。そして、その状態であれだけ後半のジャンプを決めるっていうのはやっぱりちょっと人間離れしてるなあと思いました。


そしてパトリック。

冒頭の4回転-3回転のコンビネーションには、ロマンがあります。
点数的なことを考えたら勝つための戦略といったものでは無いかもしれませんが、そんなもんはどうでもいいんです。私は冒頭に4-3の入るプログラムが好きです。
オペラ座の時の、一本目単独4回転、二本目で音楽に合わせて4-3、もかっこよかったですが、でも冒頭4-3の高揚感には負けます。冒頭のクワドコンビネーションは至高です。
ええ、そうです。ジュベールスタイルです。いやジュベール関係無しに考えてもさ、かっこいいじゃん!盛り上がるじゃん!


スケートファンなら大体みんな知ってることだとは思いますが、今更ながらパトリック・チャンのステキなとこを挙げていきます。

まずもちろん足元の凄さ。
ものっすごい角度でぐいんぐいん滑るあのスケーティング。
スケーティングと言えば小塚くんとかベルネルも凄いです。凄い凄いといってもそれぞれタイプが違うんですね。
特に誰のスケーティングが一番好きだみたいなのはありませんが、とにかくパトリック・チャンは足元のステキなスケーターの一人です。バンクーバーのエキシだったかな?あれ、凄く好き。あれを観てからパトリックが凄く好きになりました。
そうなんですよ、パトリックはエキシビションもいつも面白くて(←楽しい、あるいは興味深いの意)素敵なんですよね。嬉しい。

それから、地面に杭を打ってそれを支点にしてぶん回されてるかのような、あの遠心力のかかりつつも軸ブレしないスピン。
そして更に、ジャンプの迫力。
基本的にどの要素を見ても男らしいスケーターではあると思います。
技術的にも表現的にも素敵ポイントがたくさんある選手です。

(ちなみにパトリックの表現は、例えば芝居で言ったらことさら作りこんだ演技ではなく、演じ手の人間(人生とも言える)がにじみ出るような、そういう表現ですね。己の感性を、観客に投げかけると言いましょうか。
演技してます!みたいなものだけがお芝居だと思い込んでる人は、パトリックの表現力というようなものは理解できないと思います。
どちらも良さがあると思いますが、偏ったどれかひとつの表現しかわかろうとしないのは損だと思います。芸術や娯楽というのは、受け手の感受性も重要なのです)

それから、どんなに辛いであろう時でもキスアンドクライで必ず明るく笑ってるその姿が私はたまらなく好きです。
今回も、笑っていました。


パトリック…


男子シングルのポエム調感想を書いてるうちに、心の中の濁りがすっかり消えて無くなった気がしていたのですが、やはり辛いです。


先ほど、NHKの羽生くん特集を観ました。全然チェックしておらずどんな番組かも知らなかったのですが。
羽生とチャンの点数分析、みたいなのを軸にした番組でした。ほほおと思って観てました。

しかし、辛かったです。

パトリックが勝てなかったことが悲しい。

そろそろ本音を言います!
今だけ私、カナダ人になりたい!
カナダ人になって、思う存分パトリックの銀メダルを讃えまくって、そして、
「パトリックが金メダルだったら最高に幸せだった!!」と言いたい!

いや、カナダ人だったとしてもそんな、金メダルじゃなくてダメだったみたいな事は言わないかもしれませんが。
だって、銀メダル素晴らしいじゃないですか。誇らしいじゃないですか。

そうだ、何言ってるんだ私は。なんだかんだ言って銀メダルを否定してるんじゃないか。馬鹿め。


もう支離滅裂。


ああ、NHKスペシャルの、
プルシェンコから羽生へメッセージ」
みたいな場面が本当に辛かった。

悔しかった。悲しくてわんわん泣いてしまった。見たくなかった、あんなまとめ方。

プルシェンコは問答無用で凄いスケーターで、それこそ宇宙人なんじゃないかってレベルだと私だって思う。団体戦の滑りには本当に痺れた。強くて嬉しかった。技術とかそんなもんじゃない。うん、痺れた。
羽生選手は羽生選手で、ちょっと信じがたいほどドラマチックな選手で、私は(たぶん多くのスケートファンも同様だと思うけど)ニースワールドのロミジュリを何回リピートして何回泣いたかわからない。
昨シーズンの、金メダリスト養成ギプスみたいなアホみたいに過酷なプロでヘロヘロになってる姿も、今回五輪のこれでもか!という凄まじい出来のSPも、何度も何度も観返した。
とにかくこの二人が凄いのはわかる。

でもさ!
それとこれとは別だ。少なくとも今は見たくなかった。見なきゃ良かった。
あれを観て嬉しい人っているんだろうか。
ごくごく一部の、凄く何かに酔いしれてる人の妄想みたいに見えた。

まあいい、とにかく私は見たくなかった。嫌な気分になった。


話を戻そう。今日書きたかったこと。

別にパトリックを特別好きだった訳じゃない。と思う。
もしかして負けた方に肩入れしちゃう感じ?これって、日本人独特の感性だっけ?確か。
とにかくただそれだけのことなんじゃない?


でも、

バトルが引退した後の自国開催の五輪で、まだ成長途中のパトリックが新エースとして凄まじいプレッシャーの中で滑ったのを観た時から、
その五輪のエキシビションで、解放されたように自由自在に氷の上を踊るのを観た時から、
クワドなんて!と言っておきながらいつの間にか習得したクワドを驚きの精度でプログラムに入れてあっという間に世界王者になった時から、
それ以外にも、オフリンクのいろいろな情報を耳にする度に応援したい気持ちが大きくなって、

いつだっけな。
本人比であまりいい出来じゃない滑りでワールドとった時。ということはニースかな?
あの時、笑顔であの場にいたパトリックを観て、本当に素晴らしいと思ったんだ。
そして改めて昔の試合なんかを見返したら、どんな時にも笑ってるんだ。
前述したように、パトリックはキスアンドクライでいつも笑っていて、私はその姿が本当に好きで、たまらないんだ。

それに気づいた時から、ああ、観客や周囲の人間のためじゃなく、できればパトリック・チャンが本当に嬉しく思っていたらいいな、会心の演技をして心から笑顔でいてくれたらいいな、と思ったんだ。

ただそれだけのことなんだけど。
そして、パトリック・チャンのスケートが本当に素晴らしいと思うだけなんだけど。


とは言え銀メダルは間違いなく素晴らしいものだと思います。パトリック、おめでとう!
金メダルも素晴らしいものだと思います。羽生くん、おめでとう!なんだか嫌な日記を延々書いてしまって、本人が読むわけじゃないとは言えなんかちょっとあれだな。
銅メダルも素晴らしいものだと思います…そう、銅メダル!テンくん!!本当に本当にカザフスタンの英雄だ!おめでとう!!


表彰台の3人の姿は本当に美しかったと思います。
五輪で滑った全ての選手と、五輪に行かなかった全ての選手。
みんな好きです。大好きです。
ご贔屓はいるけどみんな応援しています。
どの選手も、怪我や不調から解放されますように。
引退する選手にお疲れ様とありがとうを言いたいです。
続行する選手にも、ひとまずお疲れ様と、ありがとうを言いたいです。
迷ってる選手たちには…ああ、やっぱり続行して欲しいよう!!!

いーっぱい吐き出して、ようやくちょっとだけ心の濁りが取れました。


あと2種目残ってるとは思えない消耗っぷりです。