豆乳と私

とあるチェーン系コーヒー店でアルバイトしていた頃のこと。
メニューに、「ソイラテ」というのがありました。ソイ=豆乳ということも知らなかったあの頃。そもそもコーヒーが好きじゃなかったので、まったく興味がありませんでした。じゃあなんでコーヒー屋で働くんだよ。
ちょっと待って。カフェラテがコーヒー+牛乳なら、ソイラテは豆乳+牛乳じゃないの?あれ?
まあこの場合のソイラテはコーヒー+豆乳です。

それから数年後。
その日は確か脚本の構成を考えるのに、ファミレスやら名曲喫茶やらファーストフードやら転々としていたんだと思います。
全然考えがまとまらなくて、あちこち移動して気分を変えて・・・とやってた時、そのかつて働いていたコーヒーチェーン店に行ったんです。
その頃はファミレスなんかである「コーヒーお替り自由」という謳い文句に惹かれていたこともあって、お砂糖やらミルクやらたっぷり入れて、何とかコーヒーを飲めるようになっていたのですが、一日中コーヒーばかり飲んでいた私は、その時ちょっと味に飽きていて。
で、ふと。
「豆乳ってどんな味なんだろう」
と思い立って頼んでみたのですよ、ソイラテとやらを。
そしたらなんと、カフェラテに比べて何と後味すっきりなんでしょう。牛乳を豆乳に変えただけで全然違う!
なかなか衝撃的に感動したわけです。

その日から豆乳のことが気になって気になって・・・という訳ではなく。
ソイラテも豆乳もなかなか飲む機会無く、また時は過ぎていきました。

唐突ですが、私、起き抜けとっても食欲が旺盛なのです。それも、カレーとかジンギスカンとか、できれば味の濃いものを食べたい。
フライドチキンなんかもたまらないです。
ただ、やっぱり起き抜けに油ものとかガンガン調味料・香辛料を使ってるものってあまりよろしくないんじゃなかろうかという本能から、何かワンクッションを入れるのですよ。
ただめんどくさがりなので、野菜とかでなく飲み物を摂取します。その役割が長らく野菜ジュースだったのですが、最近は女性ホルモンを促進すべく豆乳を飲むことが増えてきたという。
ほら、豆乳の話に戻った。

豆乳は美味しいです。ソイラテを飲んだ時も感動しましたが、その後豆乳を飲むようになったある日、なんの違いもわからずに手にとった、
『成分無調整制豆乳』
これが!!!
これは感動どころか興奮しましたよ!美味しい!豆!
そういやヨーグルトもいっさい甘くない酸っぱいやつの方が好きだしなあ。

なので今ではもっぱら、というか、絶対的に成分無調整の豆乳を飲んでおります。
こいつの素晴らしいところは、そのまま飲んでももちろん美味しいのですが、だしとかコンソメを入れて味付けすることによってちゃんと食事になるという。
パンしか無くて物足りない時はコンソメ(※市販品です)入れてソイスープ。ごはんしか無くて物足りない時は白だし(※市販品です)入れて豆乳汁。味噌汁は具が入ってないと悲しくなるけど、豆乳ならなんか平気。
何て素晴らしい豆乳!!

大人になるまでその存在を意識したこともなく、飲もうなんて発想すら無かった豆乳とこんなに仲良しになるなんて。これだから人生って楽しいですよねえ。

私の食べ物の話は、いつもイコール人生論です。
生きることイコール食べること、というとっても原始的本能的な人間なんです。
大嫌いな言葉は「一口ちょうだい」です(自分の意思であげるのは良い)。
食事の邪魔をされると烈火の如く怒るか、抑えても抑えきれない不機嫌モードになります。
動物と一緒です。よろしくお願いします。

豆乳よ、私の人生の傍らにそっと寄り添ってついてきていてほしい。
あなたはそんな大事な存在のひとつだ。
いや、ホントに。