思い出せない

青春時代、特に高校の修学旅行のことを思い出してみたのだけど、いまいち記憶がはっきりしない。
けっこう遅い時間(夜?)に地元・旭川駅に集合して、夜行列車で奈良へ行きいろいろ見て1泊、翌日は京都へ行き午後から自由行動、その次の日は朝からバスで東京ディズニーランドへ直行し昼から閉園近くまで遊び、品川のホテルに宿泊。最終日は午後3時くらいまで東京自由行動で夕方の飛行機で帰旭。

と、おおまかな事は覚えてる。
京都の町でイヤってほど坂を上り下りしたことも、清水の舞台から町並を眺めたのも、ディズニーランドで訳もわからず魅惑のチキルームに入り、そのことで友人と喧嘩になった事も覚えてる。
東京の自由行動で渋谷の109を通りかかったらドリカムの新曲キャンペーンだかで風船を配っていて、その風船を飛行場に持っていくかどうかで友人と喧嘩したのも覚えてる。
アメ横で甘栗を「1袋1000円のところ2袋500円にするよ!」と声をかけられたものの、「そもそも1袋1000円ってどんな高級栗だよ」と冷静に思ったことも覚えてる。
一番の感動は奈良で食べたうどんのそのあまりに美味かったことだ。
どうでもいい事しか覚えてない。

そして、さあここが一番曖昧なのだが、班行動の構成人数が3人だった気がするのだ。
旅行中(旅行に限らず)喧嘩三昧だったK野と、それを眺めていた超マイペースなH美ちゃん。
果たして、修学旅行ってこんなに少人数で班行動ってアリなのか?忘れてるだけで他にもいたのか?

確かめたいのだが一番仲良しだった(と私は思っている)K野の連絡先もわからないし、実家にかけても、さすがに結婚して家を出てるような気もするし。

大体、前科があって電話しづらいのだ、K野には。
同じ短大に進んだもののなんとなく疎遠になってたK野に久しぶりに電話をかけたのは、短大卒業から1年ほど経った頃だった。

「わあ、久しぶり!元気だった?今、東京にいるんだって?」
K野は私からの電話を歓迎してくれた。
「うん。あの、聞きたいことがあるんだけど・・・」
「なになに?」
「聖子ちゃんの歌でさ、♪♪♪♪♪〜って、なんて曲だっけ?」
「・・・」
K野は優しく教えてくれて、歌詞の間違いまで正してくれた。
切り際に、
「もしかしてそれだけのために電話してきたの・・・?」
という彼女に、私はへらへら笑いながら言葉を濁したのだった。

しかし遊んでばっかりだな、この修学旅行。奈良と京都半日ずつ見て、あと全部自由行動って。
こんなもん?