今日の気持ち

今日、ある一人の人の話を聞いて、私は鳥肌か立つ程の憤りを感じた。
涙がしばらく止まらなかった。

正義ぶっていると自分で思った。またお得意の感情移入か。
と、そんな自分の様子を揶揄しつつ、しかし思った。

これは、感情移入では無い。
その人の気持ちになって怒っているのでは無い。

「何故この人がそんな目に遭わなければならないのだ」
「何故そんな所業がまかり通るのだ」

その出来事の理不尽さに怒りが込み上げるのだ。

戦争に対する怒り、犯罪に対する怒り、それらが決して被害者への感情移入などという陳腐なものによって引き起こされるものでは無いように。

社会への怒り、姿の見えない大きな敵へのやり場のない怒り。
例えばそういった巨大なものに匹敵する程の怒りを、私は今日ちっぽけな個人に対して抱いた。

あなたは今まで休まずに戦ってきた。とても強くて美しい。私はそんなあなたを素敵だと思う。

対する私は、今のあなたに気の利いた言葉ひとつかけられない程、鈍重な人間だ。
あなたの傷を癒すだけの優しさも持ち合わせていない。

だからせめて、あなたと共に戦いたい。
あなたがつけられたのと同じだけの傷を、あの卑劣で汚い人間に与えるまで、どうか共に戦う事を許して欲しい。

私には、それくらいしかできない。

でも、もしもあなたが笑いたい時は何時でも言って。

その時は、馬鹿な話で一晩中でも盛り上がろう。

怒りというのは人にパワーを与える原動力だとつくづく思う。
してみると怒るという動作にもそれはそれで意義があるのかもしれない。
しかし、できれば大事な人達には、行き場の無い怒りを募らせずに済むような幸せな生活を送って欲しい。

やはりそう願わずにはいられないのだ。