最近のファッション傾向

数年前、「着たいと思う服が見つからない」と憂鬱だった時期があった。
店頭を見ても雑誌を眺めても、まったく食指が動かないのだ。あれは辛かった。

新しい服を手に入れると、とてもウキウキした気分になる。何の予定も無いのに何だかそわそわして何かをしたくなるのだ。
出かけたくなったりも勿論するし、家の中ですることでも何でも、とにかく気持ちが前向きになり精神的に活動的になるのだ。
興奮剤を飲んだような（飲んだ事無いけど）そんな効果がある。

だから着たい服と出会えないでいたその時期はかなり辛かった。ずっと無気力に過ごしていた。もしかしたら逆なのかもしれない。無気力になっていたから服にも積極的に向き合えなかったのか？
真相はどちらでも良いのだが。

今は幸い、街中に、日本中に、いや、海外の通販カタログを見ても、そこいら中に着たい服があふれている。財布の中はほとんどいつも空っぽ状態なので欲しい服がたくさんあるのもまた困ったもんなのだが、いや、贅沢な悩みだ。

欲しくてもお金が無いのでどうにもならないという事で、めぼしい服を目に焼き付けておいてから、自分のクローゼットを私は漁る。
するとまあ、上手いこと似たようなニュアンスの服が見つかったりするのだ。
「おお、これはここをつまめばああいう感じになるな」
とか、
「これとこれを合わせるとふむふむ近いイメージの組み合わせになるじゃないか」
なんて。
リメイクじゃなくてリサイクルと言おうか。押入れから溢れ出して床を埋めつくしていた服たちを復活させてやる。
かくして我が家の服の山は、現在着々と整理されつつある。屍骸の山だったのが宝の山に生まれ変わっていると言える。ああ、なんて有益なんだろう。

ファッションに貪欲な時期の副産物というかもう一つ有益な事といえば、体型に気を配るようになる事だ。
「この服を着たいけどお腹がたるんでるから着られない」
「これを着こなすには胸筋がみすぼらしい」
「わっ、この服、太ももの太いのが丸わかりじゃん」
等等の「着たいのに着られない」を解消すべくトレーニングに励む事ができる。
いやあ、何か一つ意欲的だと連鎖的に全てが上向きに進むのね、の良い例である。

しかも！先日浅草で、１９８０円の浴衣を購入！安い！わあい♪

何もかもがとんとん拍子で嬉しい限りだ。