かわいそうなぞう

第二次世界大戦の時に動物園の猛獣(と、草食の大動物)たちが殺された。子供の頃、あまりに信じがたく残酷なその話にいつまでも涙が止まらなかった。「ドラえもん」でもそれをモチーフにした話があって、それを読んだ時もしこたま泣いた覚えがある。その時はドラえもんが助けてくれたんだけど「現実ではみんな死んじゃったんだよなあ」と余計に悲しくなったものだ。
我が家には、父親が集めた戦争からみの本がたくさんあった。絵本、詩集、手記、小説、まんが、被爆した人達の写真集…。子供の頃は寝る前にいつも「寝てる間に原爆が落ちたらどうしよう」と思い怖くてなかなか眠れなかった。
中学生くらいになると反動でそういう類の文献やらを毛嫌いするようになってしまった。もう嫌っていうほど見たから、と。
未だに若干その中学生の頃の気持ちが残っていて、現在起こっている戦争の情報を耳に入れることも意識的に避けていたりする。脳みそが鈍っているとも言えるかもしれない。
…のだが、ついさっき読んでしまった。まんが版の「かわいそうなぞう」を。