何かひとつ

何かひとつきっかけになる出来事というものがあるらしい。そのきっかけに遭うやいなや現状のむしゃくしゃがなくなって、ぱあっと気分が晴れやかになる。しかし、そのきっかけとやらが果たして何であるのかは、起こってみるまではさっぱりわからない。対人関係の何かなのか、はたまた金銭にからむ何かなのか。まったくその時々で違うため、自分で起こすのは難しい。偶然とも言えるそのきっかけをひたすら待ち、暗雲の中に身を委ねているしかない。現状を打破できずただ待つしか出来ないなんて歯痒いが、気分が沈んでいる時にはどんなに気を紛らわせようとしても無理なのだから、仕方ない。
さて、陰欝な気持ちを抱えて気力は減退して、やらなければならない仕事は溜まっていくばかり、しかし待ち焦がれているきっかけはなかなか訪れない…そんな時はどう過ごすのが正しいのか?
そんな時は自堕落にぼやぼや過ごすに限る。古本を引っ張り出して右から左へ読み散らかし、台本も書かずバイトもせず、朝から晩までスナック菓子を貧って数日から一週間…気がつけば体重は増え財布の中身は減り、わっ!何もしないままもう週末じゃん!