リハビリ

リハビリのつもりで……なんて考えてるウチは実力は発揮できない!
コーラスライン』のビビだってオーディションに落ちて精神状態ボロボロで、医者から「まだオーディションを受けるのは早い」って言われたけど、大きなオーディションに挑んだ結果、見事「勝った」ではないか!あれで「まずはもう一度ダンスの楽しさを思い出すところから始めるわ」なんてチンタラやってたら、なおさら復帰に勇気が要った思う。無茶に立ち向かってこそ、膨大なエネルギーも生まれる。ビビはそのエネルギーをもってして、自分の中の負けを打ち払う事ができたに違いない。
私は昔から生ぬるい環境に生きているお姫様なので、ちょっとした困難が現れるとすぐに逃げ出したくなってしまう。挫折の後に自分を甘やかす期間が長い。こんな甘甘で、よく28年間生きてこられたと思う。生きてはいるものの確実に自分の人間的レベルは下がって行ってると思う。

優先順位は自分でわかっている。蔑まれて構わないから好きな事をやって生きていたい。傷ついてもいいから納得のいくことをして生きていたい。苦労なんて屁でもないから自分のレベルを上げたい。なんとなく楽しい事をだらだらとやってどうとでもない人からちやほやされて生きる、なんて事はごめんだ。それだけわかっているのならやるべき事もみえてくる。
最重要な事を手にし続ける為には、止まるわけにはいかない。漠然とした、たまに具体的な目標を見いだしながら生きていく幸せ。目標がない時期にさしかかってしまったら、とりあえず現状やりたい事をやってお茶を濁すのもありかな。止まらなくても休む事はできる。
「私、恋愛至上主義なんです。お芝居よりも何よりも、恋をする事が何より生き甲斐なんです」と胸を張って言ってた頃の私は、馬鹿げていると思う反面、堂々としていたと思う。堂々としている事はかっこいい。今はその頃と考え方も変わったけれど、そんな風に堂々と恥ずかしげもなく物を喋れる自分でありたいと思う。まあ、恋愛至上主義ってのがホントだったのかどうか、今となっては疑問が残るが。

ともかく、リハビリなんてやめだ、やめ!仕事でも対人関係でも、無茶に立ち向かっていこう!ワンクッション置くからいけないんだ!大きな仕事に挑戦するぞ!恋だって逃げないぞ!失敗したって、今よりひどくはならないさ!そもそも、私はリハビリが必要なほどの傷を、負ってはいなかったかもしれない。