自分いじめ

先日ふと泣きたい気分になったので、一発大泣きしておくかと思い、悲しい事を考え始めた。
ホントは悲しい筋書きの漫画や感動的な小説でもめくれば簡単なのだが、もう明かりを消して布団に入っていたのでゴソゴソ起き出すのも億劫なので、妄想で済ませる事にした。

そういや知り合いの芸人が、泣くってのは一種の自慰行為と同じだと言っていたのだが、なるほど、行動のパターンとしては同じだな。終わるとすっきりするし。

さて、この日私が選んだテーマは自己批判。一番敏感なコンプレックスの部分を刺激してやれば、ものの5分で涙の泉が溢れるはず…
が、どういう訳だか一向に泣けてこない。これでもか、これでもかと、あらゆる角度から自虐的な言葉を投げ付け、思い浮かぶ限りの非道な表現で自分を罵倒したのだが、涙腺はこれっぽっちも緩まない。

自分に自信がある時って誰に何を言われても気にならないというが、これもその一種なのだろうか。
ウィークポイントが一つ減ったのは喜ばしい事だが、私の泣き欲は行き場を失ってしまった。

仕方が無いので禁じ手である「動物にまつわる悲しい話」を使うことにした。
これは百発百中で泣けるのだが、悲しみのコントロールが効かずとめどなく泣き続ける怖れがあるのと、選択を失敗すると泣きでは無く怒りのモードに切り替わってしまうので、注意が必要である。

そんなこんなで無事に大泣きしてすっきりした訳だが、この時選んだテーマを口外すると人格を疑われてしまう可能性があるので、それについては特に秘す。