はだかの葛藤・2

男だけではなく女でもいちいち「いやーん、セクシィ〜」とか絡んでくる者がいるところを見ると、やはりこれは遥か昔より刷り込まれてきた「女の肌は隠すべし」という怖るべし因習のせいでしかあるまい。古い価値観を突如くつがえされ狼狽したあまりに出てしまう「おっと失礼」で「いやーんセクシィ」なのだ。
この常識という名の非常識を打ち破ることこそが真の男女同権への足掛かりとなる!!
と、こんな正論を吐きつつも私は気付いている。自分のおかしている大きな矛盾に。それは、
「ヌードグラビアをやっていること」
でええ〜す♪♪
顔もスタイルも、ふうん…ってな女でも裸に商品価値が生まれてしまう世の中なのだ。お笑い芸人の裸にギャラが支払われてしまうのだ。そう、ギャラ!私の裸には報酬が支払われてしまった。もはや男女の裸に同権を唱える資格は私には無い。男がもらえない仕事を私はもらってしまったのだ。しかも中々ちゃんとした金額で。
これはすごく悩んだ。本当に本っ当ーに悩んだ。裸を売るか売るまいか。理由は先に述べた思想上の問題のみ。
二度ほど意思を強固に断ったが、三度目には負けてしまった。報酬の額の前に敗れ去ってしまった。