食の人と睡眠の人

食べること、眠ること、どちらも大切であることは言うまでもないけれど、ものすごく大雑把に強引に分けるとすると、食べることが最重要の人と眠ることが最重要の人がいるようだ。

少し前に一緒に芝居をやった役者と睡眠時間のことで言い合いになった。
彼女が言うには体質は人それぞれで、睡眠時間がどれくらい必要かも人それぞれなんだ、と。だから自分にとってベストの睡眠時間を確保しなければ踏ん張りが利かないのだ、と。体調管理を考える上で良質の睡眠を必要なだけ摂ることが不可欠なのだ、と。
私にしてみればまったく考えたこともない理屈で、睡眠時間なんてものは削ろうと思えばいくらでも削れるものでありそんなものは体調管理と直結する話ではないとバッサリ切り捨てたため、ちょっとしたケンカになった(そんなことでケンカするなよな・・・)。

しかしながらその後に身近な人達の様子をよくよく観察していると、睡眠時間が足りてないと本当にダメになってしまう人、というのを何人か発見した。
それまではまったく意識していなかったので気付かなかったのだが、確かに踏ん張りが利いていなかったり、無理に頑張ってはいるものの傍目で見てて心配になるほどクタクタで、気力のみで動いているように見えるような、そんな人達は確かにいたのだ。

私はというと、まあもちろん睡眠が足りてないと絶好調では無いにしても、そこまでフラフラにはならない。うっかりうたた寝してしまうことはあれど、あまり普段と変わらない。
が、その代わり私の場合は食べ物を摂取しないと活動できなくなる。

元々胃がそこまで大きくないので、いわゆる大食らいという人種では無い。が、食い意地はものすごく張っている。食べ物が好きなんだね、とよく言われる。
そう、食べ物が好きなのだ。食い道楽では無い。大体のものは美味しいと思い感激して食べている。感激の度合いが強いか弱いかはあれど、何を食べても新鮮に幸せになれる。
人生のうちの3割くらいは食べ物のことを考えて過ごしてるんじゃないかってくらい食べ物が好きだ。
適当に書いたけど、3割ってどうなんだろう。1日のうち7時間くらい?そりゃ無いか。しかし2時間くらいは考えてるかもしれない。突然なんの脈絡も無く食べ物の名前を羅列した日記を書くのはそのせいだ。

で、そんな私は食べ物を食べられないとものすごく調子が悪くなる。機嫌も悪くなる。食べ物のことばかり考えてストレスがたまり仕事の能率が悪くなる。
だから台本書いてる最中は常に食べたい物を食べ続け余計なストレスを排除している。そのせいで太るんだなあ・・・。

身体を絞ろうと思った時でも食物の摂取量を減らすという選択肢は無い。考えられない。愚の骨頂だ。というほど有りえない。
雑誌のダイエット特集で白米を半分の量に減らすとか目にしただけで本を破り捨てたくなるくらいだ。

睡眠が1時間しか取れない日でも美味しいもの(大体のものが当てはまる)を食べると機嫌も体調も良くなる。むかし日高ゆりあちゃんが稽古後に手作りお弁当を渡してくれたことがあったけど、それはそれは素晴らしい活力源となったなあ。これがまた料理が本当に上手で、いろんなオカズが入っていてめちゃくちゃ美味しいんだあ。

酒を飲みながらだとあまり食べ物が食べられないけれど幸せだ。どうやら酒も食のうちらしい。
こういうこと書くと有り難い事に心配してもらっちゃうのだけど、そんなに量を飲む訳ではないので心配無用、である。飲む前に食べたり、翌朝ちゃんと食べている。

究極にバタバタしている時はうっかり睡眠も食も摂取しなかったりするけれど、3時間睡眠を取るよりも太巻き1人前食べる方が元気になる。
ちなみに何で太巻きかってえと、今食べたいからである。

つまり、睡眠時間が足りてないとダメな人っていうのは、私のこの食べることを睡眠に置き換えた感じなのかなあ、と考察してみるとなるほどそれは重要だよなあと最近では思えるようになったのである。
何度も言うけど、もちろんどちらも大事なのは百も承知である。寝るのも大好きだし。

どちらがより必要なのか、という話なのだ。

まあ、いっぱい寝るのもいっぱい食べるのも体力いるし、日々の運動は大事だね、という話で締めくくろう。
歳をとったり病気をしたらなかなか思うようにいかなくなるだろうから、今のうちにいっぱい動いていっぱい食べていっぱい寝ておきたいものだ。