ごたまぜが好き

その集団のカラー、というものがあります。
例えば同じ接客業でも八百屋とミスドでは接客のやり方は違うし、銀座のクラブと渋谷のガールズバーも違ってたり(どっちも行ったことないけど)。

役者さんも、育ってきた環境が違うと芝居が違ってたりします。
こちらは適当な例えが出て来ないんですけど。
強いて言うなら、新劇とアングラ、とか?コント出身、とか?

ただ、表現の仕方が違ってても根っこの部分で大事なものは同じだと思うし、私はその、大事な根っこの部分を理解したうえで表現の仕方が違う、という人達が集まってつくる芝居が好きです。

劇団ならひとつのカラーが出てくるのでしょうが、うちはあちこちから集まった人間でひとつの芝居を創るので、特にそれが顕著に出るというか出したいというか。

根っこの部分で大事なものは同じ。ということで言えば、たぶん八百屋とミスドとかクラブとガールズバーなんかもそうなんだろうなと思います。何を一番大事にするかみたいな優先順位はそれぞれの店で異なるかもしれませんけど。

リアルな芝居ってなんでしょう?と聞かれたことがありますが、私の思うリアルな芝居とは「嘘の無い芝居」です。
どんなに荒唐無稽な物語でも、漫画のような動きをして見せても、そこに嘘が無ければリアルな芝居だと思います。
逆に、「ナチュラルな感じでそれらしく」やってるような芝居には微塵もリアルを感じません。
綺麗に喋ってます、自然な芝居してます、ほんとっぽくやってます、なんていうのは反吐が出ます。一番嫌いな芝居です。
「なりきる」というのもまたちょっと語弊があるというか実は私はあまり好きじゃない言葉なのですが、何でもいいからその登場人物がきちんとその世界に存在していればそれはリアルな芝居だと、そう思います。

だからこそ目に見える部分、表現の方法は、なるべくごたまぜになってるのが好きです。
フォーマルスーツの人とアロハシャツの人が同席してて一見ぎょっとするけれど、それぞれ心からお祝いしているステキな結婚パーティみたいな、そういうのが面白くて好きです。

もちろん、フォーマルスーツを着てるけど中はアロハシャツ、みたいなのも大好きです。

そういう役者たちが出ている芝居が好きなので、発条ロールシアターは私にとってとてもいい場所です。

そんな素敵な発条ロールシアターの春公演は、2週間後!


「ラブホテルインブルー」
於 新宿タイニイアリス

4/10(木)19時〜
11(金)19時〜
12(土)14時〜/19時〜
13(日)14時〜/18時〜
※上演時間90分
※開場と受付開始は上記開演時間の30分前

前売2500円/当日2800円
※半券持参で2回目以降1500円

出演:江戸川良、日高ゆりあ藤一平、加茂克、孫貞子、柳繁之、知念新、則末チエ

チケットのご予約はコメント欄に「お名前・日時・枚数」をご記入ください。非公開で承ります。
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こうして出演者一覧を見ると、江戸川良とか日高ゆりあとか孫貞子とかけっこうブロークンな芝居をする役者が多いのですが、中でも加茂克の無軌道ぶりはますますパワーアップしております。
知念新も順調にセオリー無視の系譜を継いでいます。
柳繁之はそんななかで逆に目立つ役に挑んでおります。今回の芝居で新しい方法を是非見つけて欲しいと思う、良い意味で若い役者さんです。

藤一平にいたっては(この人は江戸川良と加茂克の昔の劇団時代の先輩なのですが、実になるほどという)ブロークンな上いやらしくて紳士で予想不可能な芝居をする、私にとって憧れの役者さんです。上手いけど、単に上手いとは言いたくないような。
何て言えばいいんでしょう。無理やり評すならば、役者としてこんな歳の取り方ができたらこの上ない幸せだよなあという感じの役者さんです。是非観にいらしてください。

ちなみにこの3人が所属していた游劇社という劇団、今はもう無いのですがとんでもない役者ばっかりです。人から聞いただけですが、ここの演出の鳳さんの芝居のつくり方も含め、優等生タイプでこじんまりしがちな私には理想のというか、ひとつの指針になるような団体です。
受付の後藤優也くんもここの劇団の人でした。なるほど。


私は游劇社と楳図かずお先生が大好きなのです。
ごたまぜ。雑多。はちゃめちゃ。気狂い。混沌。

すごく好きです。