初日がお休み

先週の土曜日、本当は4月の芝居の稽古初めでした。
しかしながら10何年ぶりの大雪警報が出た土曜日は、朝から雪が降り続け降り積もり、午後になっても止む気配も雨になる気配も無く、警報も解除されぬままでした。

これが2月26日未明なら雪は止んでいたのになあとか「パソドブレ」の舞台背景なんかも思い出しつつ。
これは休みにしよう、と。
既に10㎝以上積もった雪を見て決めました。

迷いが無くもなかったのです。初日を休みにするって、なんかゲンが悪いかなあとか。
皆スケジュールを合わせているのに申し訳ないなあとか。
私だって、今日から稽古だ!と気合入ってた訳です。

でも、休みにしました。

何せ役者の皆さんは、稽古があるとなったら雪だろうと台風だろうと稽古場に向かいますから。
天候不良なんぞものともせず向かいますから。
こりゃ大雪警報くらいじゃ迷わず稽古場を目指すんだろうな、稽古したいんだろうなと。
稽古に来ちゃうんだろうなと。

結果論にすぎないのですが。
もしかしたら稽古が終わる頃には雪は止んでるかもしれない、電車は止まっておらずすんなり帰れるかもしれない。
でも、そうじゃないかもしれない。

昔の私だったら稽古は何より優先していました。稽古はするべきと思ってました。
勿論今だって稽古は大事なのです。稽古をせずに本番は迎えられないのです。

でも、当たり前のことですがもっと大事なことがあるのです。
何があろうとやめるという選択肢の無い時というのがあるのです。

あの日から、間もなく丸3年が経とうとしています。
あの日が終わって、でもその痕跡だけはいたるところに残ったまま時が過ぎていきます。
やるって言ったらやるんだよ!という主宰の力強いエゴを聞いたあの日以来、大事を取るべき時というのが自分の中で明確になりました。
休める時は休みます。
でも、何があっても休まない時もあります。やめない時があります。

まあいちいちこんな大層なことを考えてる訳ではなく、もうちょっと直感的にいろいろ決めているのですが、
おそらく内側を説明づけるとしたらこんな感じです。

稽古の初日をお休みにしました。
ゲンに左右されるようじゃいかんのです。
スケジュールを合わせてくれたおかげで稽古が成り立つのです。貴重な時間なのです。
が、しかし大事な役者が雪の中帰れなくなって凍えるようなことじゃいかんのです。

どうしてもの時には凍えてもらいますが、その時には役者自ら悔いなく喜んで凍えてもらうつもりです。そういうものを作っていくつもりです。
少なくとも、この日はそういう日じゃありませんでした。

ともかく、4月公演はそんなこんなでまだスタートすらしていません。

で、何が言いたいかっていうと、第2回目の稽古、つまり実質稽古初めとなる今週末ですが、これまた雪の予報です。

おいっ!
またかいっ!

今度は休みにしません。雪が降ろうと槍が降ろうと。あ、槍が降ったら家にいてもらうかな。家にいたところで天井を突き破って刺さってきそうだけど。怖っ。

とにかく今度こそ稽古初めです。
私はこらえ性が無いのです。

予報が外れますように。