「エイリアン2」その1:「エイリアンシリーズ」について

エイリアン2」。1986年の映画です。27年前!!驚愕!

ジェームズ・キャメロン監督の2作目です。2作目!驚愕!!ちなみに初監督作品が「ターミネーター」ですよ。「ターミネーター」も大好き!
(ちなみにターミネーターは2が人気らしいですが、私は最初の方がシンプルで好きです。マイケル・ビーン演じるカイル・リースが切なくて物悲しくてカッコ良くて、いやあもうたまらん!2はサラ・コナーのカッコ良さがずば抜けてましたね。リンダ・ハミルトンがあんなにイイ女になるなんて!と)

エイリアン2」もだけど、ど派手な作風でありながらもつつましやかで密やかな恋愛模様が描かれていて、キャメロン監督ってロマンチストだなあと思います。
どちらも超絶強いヒロインと、男気はあれど途中でリタイヤしてしまうヒーローの組み合わせ。
そういやタイタニックも女が強いですね。監督の趣味嗜好、わかりやすい。
しかし、その情けないヒーローをはじめ、監督のツボが私にはよーく共感できるのであります。私もそれ好き!と叫びたくなります。

エイリアン2」の話が舞い込んだ時はキャメロン監督はまだ若くて実績もほとんど無い頃だった訳です。「ターミネーター」は素晴らしい作品ですが、当時はまだそれが公開される前だったんですねえ。
今回、監督とスタッフさんと役者の皆さんのコメントを拝聴したのですが、監督と当時の奥さんであった製作のゲイル・アン・ハードからは、当時いかに苦労したかのエピソードがたくさん語られていました。

さて、そもそもなんで今「エイリアン2」の話かと言いますと、別に特に意味は無く、まあ言ってしまえば私は子供の頃に初めてこの映画を観た時から、ものすごくものすごくこの作品が気に入りまして、それから今日までもう何度繰り返し観たかわからないのですよ。
で、もちろんDVDは持っていたのですが、布教活動として人に貸してるうちに最近紛失してしまいまして。
購入しなおそうとネットで検索していたところ、シリーズ1〜4の4作品入って2000円という破格のDVD-BOXを発見いたしまして。
前から聞きたかったオーディオコメンタリーの収録されたバージョンだったのでそれを購入した訳です。

監督の裏話はものを創るものとしての気構えを改めて叩き込まれるような素晴らしい物でした。
熱意と根気、そして物事の始まりは何と言ってもスピードが大事なんだなと。とても良い話がきけました。
他のスタッフさんの裏話も、低予算の中での工夫とか、常軌を逸したこだわりとか、その反面で柔軟さやその時の状況に応じて代替案をどんどん出していく勇気とか、無茶を実現する熱意と、そして予算との折り合いなどなど、今の私にとって実用的な興味深い話もきけました。
途中、ゲイル・アン・ハードがあまりにも苦労話を語りすぎて、もっと本編の話聴きたいのに〜っ!となる時もありましたけど。まあ、それだけ大変だったんだろうということで。

出演者のほうは、マイケル・ビーン(ステキに飄々とした我らがヒックス伍長)とビル・パクストン(ハドソン。わあわあ騒ぎながらも奮闘してた技術兵)、ジェニット・ゴールドスタインバスケス!あのたくましき女軍人!)、そしてランス・ヘンリクセン(人造人間ビショップ!)という、私の特別好きな登場人物たちを演じた役者さんたちが、実に楽しそうに喋りまくっていました。もっとたっぷりずーっと聴いていたくなるくらい楽しい喋りで、できれば俳優バージョンとスタッフバージョンとで分けて欲しかったくらいです。

私がシリーズ最初に観たのは「エイリアン2」でした。1作目はTVで1度観たきりで、今回久しぶりに観なおしました。これぞ!という、正しいSFホラーという感じですね。
3作目は実は冒頭のショッキングな設定を聞いただけで観たくなくなってしまい、1度だけTVで放映されてるのを流して観ただけでした。実は今回も観るのをためらったのですが、いざ観てみると面白かったです。
ホントに面白かったのですが、やっぱりどうしてもどうしてもどうしても・・・。
なので、私の中で3と4はリプリーがスラコ号(2の最後に乗り込んだ船です)の中でコールドスリープ中に観た悪夢だったということにしています。

で、4は完全に初見だったのですが、これがまた完全に別作品といった感じで意外なほど面白かったです。
最後に対峙したエイリアンは私的にはちょっといただけなかったですが、キャラクターがそれぞれ面白くて好きです。
ウィノナ・ライダーには特に興味が無いのですが、あまりの可愛さ・美しさに、それだけでいいもんみたなーという気になりました。涙とか怒り顔とかが本当に美しくてよく似合う。もちろん笑顔も可愛いけど。
あと、4のシガニー・ウィーバーはシリーズ中で一番美しかったと個人的には思います。女らしくて色気があった。3の坊主頭も悪くなかったけど、医者とのシーンとか、ちょっと痛々しかったんですよねえ。悲しみとか寂しさが際立って。だから色気より哀しみが強かったかな。
ちなみに出演するキャラクターでは、4のクリスティー(ゲイリー・ドゥーダン。2丁拳銃&跳弾使いのドレッド男)がかなり好きです。スーパーかっこいい!

エイリアンシリーズほど作品ごとにがらりと作風が変わるシリーズものも無いんじゃないでしょうか。その作風の違いっぷりはルパン三世並みと言っても過言ではないでしょう。
モンキー・パンチ先生のルパンは大好きだけど宮崎駿監督のルパンは好きじゃ無いとか、とにかくTVシリーズ1作目のルパン意外は認めないって人もいるようです。私は原作ルパンも宮崎ルパンもTVシリーズ1〜3も好きですが、シリーズ4作目と、以降のTVスペシャルのルパンにはあまりついていけないな・・・とか。

エイリアンシリーズだと特にエイリアン3は、前2作との雰囲気の違いっぷりが、ダイ・ハードにおける3並みに違った気がします。ダイ・ハード3の頭脳戦というか謎解きは、あの当時流行っていた気がしますが、ダイ・ハード前2作とはまったく違ってたし。だからって映画としては私は面白く観られた訳ですが。

初めて観たエイリアンの3と4は面白かったです。素直に思いました。1も、もちろん面白かったし何よりオリジナル作品という点で凄い。
で、そのうえでやっぱり私は2が一番好きだし面白いなあと再確認した訳です。なんだろう、何が好きなんだろう。
まず監督の好きなものがよく理解できるので、共感という特別なものがあるとは思います。
それから、めんどくさいことを排除した、とにかくわかりやすいストーリーも心地良いですし、キャラクターもみんな好きです。
リプリーとヒックスの絆、そしてほんのりいい感じのムード!あれ、ヒックス年下男だよねえ。そのあたりもたまらん。
そして男女を超えた仲間であると思われるバスケスとドレイク(眉無しの白人男。「ショーシャンクの空に」で主人公を襲う囚人をやってましたね)の関係もいいし、バスケスとゴーマンもいいし、ビショップなんてあんないい役もう、もう!ランス・ヘンリクセンのこだわりの演技もにやりとしてしまいます。ハドソンの人間味あるキャラクターも大好き。ニュートに名前を呼ばれるシーンが凄く好き。

いやあ、物語においてどれだけ魅力的な登場人物を出すかと言うのは本当に重要なんですなあ。
3もキャラクターは立ってなかった訳じゃないけれど、全員坊主頭だったので
「あれ、これ誰だっけ?」と考えてしまう辺りが私にはちょいとブレーキになってしまいました。ああ、あの人か、とわかった時にはもうエイリアンの餌食になってた、とかね。そこが寂しかったです。

という訳で「エイリアン2のここがいいの!」という話を目いっぱいしようと思います。