ステキな役者さん観てきたよ!

まず初めに、昨日の日記ちょっと見栄が入ってました。
デートの時間を削って、なんて書いてますが長らくデートなんてしてないです。
すいません、削るまでもなかったです。


昨日は芝居を観に行ってきました。
寺山修司の『レミング〜この世の涯まで連れてって〜』於:参宮橋トランスミッション

寺山修司って、最低限知識として知ってるみたいな程度で、本もちょっとしか読んでないし芝居も大して観たことないし、
そもそも寺山修司って呼び捨てにするのもどうなんだろうかと。だからって寺山修司さんっていうのも何かしっくりこないし、寺山修司先生っていうのも逆に抵抗があるというか。
なのでいつも、若干のぎこちなさを含ませて「」付きで「寺山修司」と呼んでたりする。

昔、何故か万有引力を観に行ったんですよ。何を観たかどんな内容だったかもう覚えてないんですけど、万有引力さんのHPを観たら過去公演の一覧がありました。ありがたや!
“10月『呪的音楽劇 犬神 −月と不死、魂の古代形式−』下北沢ザ・スズナリ”でした。
なんと1996年!16年前!あたし、東京に住み始めて真っ先に(付き合い以外で)行ったのが万有引力だっんだよねえ。謎だわ。

さて、昨日の「寺山修司」は非シス人という劇団さんの舞台でした。初見。
初日だったからなのかいつもそうなのかはわからないけどやや危なっかしい。
兄妹役のお二人と影山影子役の女優さん(日替わりらしい。この日は上杉綾さん)がステキだった。言葉を喋ってる時も喋ってない時も芝居が面白くて目で追ってしまった。

ちょっと稽古不足やもと思ってしまうような、セリフがおぼつかなかったり芝居ができてなかったりもういっぱいいっぱいですみたいな危なっかしい人達もいましたが、この舞台は個人個人の役者を追うんじゃなく、全体を観て楽しむ感じなので、いつも書くような激しく厳しい感想はありません。

っていうか、寺山修司って面白いなーっ!!
演出の手が入ってるからそこには劇団さんの色も出ているんだろうけど。とはいえ、寺山修司の言葉って・・・ああ、なんか今更こんなこと書いて恥ずかしい。
けど、いやー、面白いんだね。面白い世界だった。ああ、好き。
でもこの先、「アタクシは寺山修司が好きで」なんて恥ずかしいこと人前ではぜってー言わない。言うもんか。心密かに思っていよう。

寺山修司って、うんと汚くて、うんと美しいみたいなイメージ。汚いって、別にゴキブリコンビナートさんみたいな汚さではなくて。
あ、でもゴキコンさんも一周回った美というものがあるのかもしれない。哲学的なものとか。こんなこと言われたら逆に嫌がるだろうか。
うーん、まあ、それはさておき。

気が付くとあっという間に90分が過ぎてました。

正直に言うと、実はこの芝居を観に行ったのは、ただただ好きな役者さん観たさというシンプルな理由からでした。
そう、寺門祐介さん!寺門さんが出演しているんです!
ミスタースリムカンパニーで2回ほど観たことはあるのだけど、果たしてヨソの芝居ではどんな風に立つのだろうかと気になって気になって。それで観に行ったのでした。

そんでもって最初はもう寺門さんばっかり観てさ。
そりゃそうだよ、だってそれが目当てだもん!そしてまた、観てると細かいとこまで面白くて、息遣いすら感じ逃したくないっていうか。
ほら、例えばラジオで聴いた曲なんかを気に入ったとして、そしたらそのミュージシャンを探して、CDを買いあさって、貪るように聴きたくなるでしょう?今、そういう段階。

なので、寺門さんの出てる場面は寺門さんしか観ていませんでした。あと、あ、次誰か出てきそうっていう場面だと、寺門さんの出てきそうな方面を待ち構えて目で追ったり。
いいんです、この日はそういう目的だったんだから。

でも、そういう見方をしながらも、芝居全体としても面白いなと思ったんですよねえ。
危なっかしい役者さんが結構多かったにも関わらず、そういう些細なことを気にせずに観られたというか。
主演の方が力に満ちていて素晴らしかったです。肉体的には細いし小さいし華奢な女性なんですけど、エネルギーがほとばしっていました。気持ちいい!
アイドルのファンの人がアイドル目当てで観に来て芝居自体にはまってくれるのってこういう感じなのかな。
私は逆に、そこまで1人を目当てにして芝居に行ったことがあまり無いので新鮮だわ。
X-QUESTの市川さんとか、寺門さんなんかは観ててかなりときめくのでファンなのかもしれません。
それ言ったら私は江戸川さんとか加茂克とか日高さんとか小野島さんとか杉浦くんとかのファンでもあると言えるけど。
目が足りないのよ、稽古場。


ではそろそろ寺門さんを褒めちぎるコーナーに移りたいと思います。
現時点で関心の無い人も騙されたと思って読んでください。義務です。これは正当な布教活動であります。

まずはやっぱり手指がステキ。
ダンスのキレときたら、常人の倍くらいに感じられる。それでいてタメも効いてて心地いいの。
前に観た時にはまず手指に惹かれたけど、昨日観て足元も絶品だと知った。しっかりしてるのに軽いの。特に、最初と最後のダンスの時の足の踏みの柔らかさがたまらなかった。
それから腕、肩、胸の使い方。
車椅子の少女の足を・・・あ、これネタバレだからやめとこう。
平手とか。
なんつーかフェティシズム全開のステキなシーンが満載で堪らんかったです。
あと、ぜい肉の完全に排除された、美しい生肌も堪能しました。あの綺麗な肌に革ジャンなんて、もう確信犯なんだろうな、絶対に。
こんなん見せられたら、客席のエロい紳士淑女はみんな寺門さんの虜になってもおかしくない。そうか、そういう戦略か。それを見越した上でのリピーター割引設定なんだな。

あと真面目な話、途中で付け髭が剥がれそうになってたんだけど、気に留めることもなく芝居を続け、ダンスに入る瞬間に凄まじい勢いでザッとむしり取って、おそらくポケットに入れたらしいんですよねえ。
まあそのタイミングだろうけど、動きのキレが凄すぎて、振付と同化して見えたというか。なんつーかその始末の見事さに感心しました。

また前に観た時とはがらりと違う役で、とっても素敵でした。
寺門さんという役者さんは、とってもとっても個性的ではあるんだけど、もともとの姿や声がシンプルでサラッとしてるので、余計な色が入らない芝居ができるのかなあと思います。初めて観た時は凄いアクの強い人に見えたんだけど、あれも芝居だったんだなあ。
あの時の寺門さんはかっこよすぎた。とても現代人には見えなかった。現代だとしても茨城の奥地くらいに生息してる少数民族って感じ。

で、ですよ!
昨日は凡ミスにより前の予定が押してしまって、開演ギリギリに会場に到着したのですよ。そしたら通された席がなんと最前列!(隣の席のおじさまが荷物置いてたので気づかれず空いたままだった。おじさまありがとう!!)
若干ひるんだのですが、そうだ今日は寺門さん鑑賞デイだと心を奮い立たせて座ったのですが・・・もう、そりゃもう、最高に美味しい席でした。
フェティシズム全開シーンも含めて、真正面でその姿を捉えられる席でした。
あたし、昨日いろんなものが溢れて沸騰してぶっ倒れるかと思ったもん。

そんでもって発狂したようにツイッターでつぶやきまくったのですが、こちらがその一部抜粋↓

「発情してこそ発条ロールシアター!ムラムラしてハアハアしてキリキリねじ巻いてびよーん! 」

「瞬間的に頑張るのに必要なのは、睡眠でも食事でも無く(大事だけどね)、ましてやレッドブルでも無く、このハアハアしてる興奮と胸の高鳴りだ。欲情ロールシアターでも劣情ロールシアターでも構わない。それが集まって発条ロールシアターとなるのだっ! 」

「でも最近は青少年向けみたいな健全な芝居ばっかりやってる気がする。中年の純情を大切にし過ぎ。 」

ぶっ壊れてますな。中年の純情も美しくて哀れでいいじゃないのねえ。

ともあれ、こうやって欲情させて劣情をもよおさせるのって役者にとって大事なことだし冗談抜きで必要だと思うの。なんだって色気が無いとつまらないじゃない。
演出も役者もお互いに、「もっと発情させるようなものをぶつけてこいや!」って思いながら稽古してるんじゃないかなあ。
そんで最終的にはそれを全力で客席にぶつけて問答無用で恋させる、なんて理想的だよねえ。
なんちゃって。内容はともあれ私の言葉のチョイスがいちいちだせえな。


さて、この日記を読んで寺門祐介さんを観に行きたくなった方はこちらの情報をどうぞ。
寺門さんって、生で観たらどんなにステキなんだろう!と、目いっぱいハードル上げて観に行ってください。

【残りステージ】
14日(金) 19:00-
15日(土) 14:00- 19:00-
16日(日) 13:00- 17:00-
☆全席自由席
☆開場は開演の30分前

【チケット料金】
前売り\3500 当日\3800
学割\2500 リピーター割\2500

【場所】
参宮橋トランスミッション
渋谷区代々木4-50-8 参宮橋ゲストハウスB1
03-5825-4661
新宿駅より小田急線2駅、参宮橋駅下車徒歩2分
改札出て左に曲がってずーっとまっすぐ行くと左手に郵便局(2Fが歯医者)があります。
そのお向かい(道路右側)の地下1階にあります。私は下調べせずに行ってエライ目に遭った。まあそのおかげで絶品席だったので恐るべき強運だな。

【チケットお申込み・お問い合わせ】
08070039150
ticket.narcissist@gmail.com

なんて勝手に宣伝しつつ。
もういっぺん観たいなと思いつつ。
寺門さん以外の部分ももうちょいじっくり観たいなあ。昨日は何せそれどころじゃなかったもので。と思いつつ。