メダル・ウィナーズ・オープン女子編

都合の良い夢を見ることがあります。
例えば中学生の頃に私が見た夢ですが、仕事で来日したコリー・フェルドマンが何故かお忍びで我が家(※北海道の旭川です)にホームステイすることになり、しかもコリーくん日本語がペラペラで、更には私に一目惚れして告白してきて・・・というような夢です。都合良すぎっつうか図々しいっつうか。

今回のメダル・ウィナーズ・オープンのオープニングアクトを観ている時、私はそんな都合の良い夢のことを思い出しておりました。これこそまさに、都合の良い夢なんじゃないかと。
だって、この顔ぶれ!そしてこの人達が試合で競いあっちゃうんだよ、これから!
これを都合の良い夢と言わずしてなんと言いましょうか。
漫画のように自分のほっぺたをつねったりはしませんでしたが、快楽物質が急激に分泌してきたぞという感じで、さあ、メダル・ウィナーズ・オープンの感想です!

昨日は朝からショックなことがありまして、発熱したり何やらちょっとテンションが下がったりしておりますが、それはさておき感想です。文章にするのが大変そうなのでざらっといきます。

オープニングアクト
選手一人ずつ登場してアピール。キャンデロロが伝説のダルタニアンステップを踏んでくれて更に会場盛り上がり。
滑走順の登場だったと思うんだけど、荒川さんと本田くんは女子と男子のトリで出てきたような気がする。違ったかな?
お客さんがあまり多くないが、客席の大半がまず間違いなく濃いめのスケートオタクで占められていたと思われ、特に男子選手たちの時の声援凄まじい。こうして「選手」って言えちゃうところがまた夢みたい。

オープニングアクト後、通常の試合と同様にジャッジ紹介。ちゃんと試合なのねと、また気分盛り上がる

【女子第一グループ】
滑走前の6分間練習。ちょっと時間持て余し気味。ジャンプもちょっと確認で跳ぶ程度。客席もちょっと冷静になり、緊張気味で見守る。
今回はショーのように、各個人滑走前に煽りVTRが入る。サラの煽りが、本人に「サラ、回ります」とか言わせててちょっと・・・。確かにスピンは素晴らしいけど、ただ皿回しとひっかけたダジャレを使いたいだけな感じで不満。

サラ・マイヤー
怪我で引退したのを知っているのでちょっと心配。ショーっぽいナンバーで、肩飾りを手に持ったり腰につけたり。ちょっと身体のキレが無く感じられた。6分練習の時も重そうだったので、身体大丈夫かなーと心配になる。しかし生で観るとスタイルの良さがよくわかる。足も長くて超綺麗!テレビで観るより大きく感じられた。

キミー・マイズナー
大会最年少の23歳にして、7シーズン前の世界女王!これぞフィギュアスケート女子!という感じのシンプルなレオタード風衣裳(と思うんだけど記憶が改ざんされてる可能性あり)。構成というかプログラムの印象がちゃんと競技用というかショートプログラム風。活躍時をリアルタイムで観てないのだけど、よくぞ戻ってきてくれましたという気持ちになった。
テレビ放送ではMWO解説の八木沼純子さんもCaOI解説の佐藤有香さんも、競技から離れてもう一度戻ってくることの難しさと勇気を語りマイズナー選手を褒め称えていたのが印象的。

ラウラ・レピスト
生で観たかったの!第一グループの中では一番キレがあった。そして身体が現役時代と変わらないくらい引き締まっていて、美しい背筋も細い腕も変わらず。ジャンプこそ絶好調では無かったけれど、滑りはホントに綺麗だった。扇を使ってのフラメンコ。

【女子第二グループ】
6分練習。けっこうな本気モード。1人がジャンプ跳び始めると、競うようにみんな跳びはじめるところが試合前のアピールらしくて、いい!まあロシェットはアピール合戦というよりも、淡々と試合前の調整をしていた感じだったけど、スルツカヤと荒川さんは、男子の6分練習を観ているかのようなアピール具合に見えた。

ジョアニー・ロシェット
衣裳はミニドレスにスカーフにサングラス!か、かわいいい!洒落た感じのプロ。そしてジャンプもバッチリじゃん!
まだ引退してないよね・・・と思って調べてて知ったんだけど、トリノで5位だったんだ!じゃあ、荒川さんやスルツカヤと同じ時期に上位で戦っていた選手とも言えるじゃないのよ。おおお。バンクーバー長洲未来ちゃんみたいなポジション?
で、よく考えたら2シーズン試合には出てないのだけど、全然そうは見えなかった。肉体的・技術的には今すぐにでも競技復帰できそうな滑り!
ショーには出てるのかなあ。すっごい才能、すっごい身体能力だと改めて思った。

荒川静香
あー、衣裳も曲もかっけえー。この曲が頭にこびりついて延々脳内再生されてる今日この頃。
荒川さんはなんと言うか、観る前から必ず良いことがわかってるというか驚異の安定感というか、良い意味で裏切らないスケーターだと思うので、実は私の中ではいつ観ても新鮮な驚きってものはないんだ。満足はするけど。
でも今回の、初めて観る試合モードでの荒川さんはいつも以上に迫力があって予想を遥かに上回る美しさだった!ジャンプも余裕で2A-3Tとか跳んじゃうし!いや〜やっぱ意地とか本気っていうのは美しいものですな。
競技プロだけど芸術性が高い感じ。そしてこんなに中性的な透明感があるのに確実に女性らしさを感じる不思議。身のこなしがしなやかだからそう思うのかなあ。独特の個性だよなあ。

イリーナ・スルツカヤ
待ってましたよ!前にアイスショーで観た時も暗闇でスタンバイ中にウォームアップしてたり、とにかくいつでも全開本気モードの人なんだなあという印象で、今回も、いや、今回は試合なんで殊更に迫力があった。可愛くてパワフルで、プログラムもすっごく良かったし、そしてオーラが凄い!
女子で多分一番歓声が凄かった。出場選手の顔ぶれからして観客のオタク度とか年齢の高さが推し量れるのでスルツカヤへの歓声が凄いのもわかる。とはいえ、私みたいに現役時代をほとんど知らない者から見ても圧倒されるものを感じた。
いやもう、すっごく良かった!!!としか言えない自分の知識の無さと語彙の乏しさがうらめしい。
そして終わって・・・キスアンドクライにコーチ!!!
点数が出た時に反射的に観客が「えーっ」の声を一斉に漏らした。
別にだからって他の選手と比べて何がどうという訳でもなく、あれは何と言うか単純に、
「びっくりするような点が出ると思うくらい感動と興奮に包まれたのに、これだけ?!」という思いにかられて漏れた「えー」なんだよね。きっと。
その証拠に、優勝の荒川さん、2位のロシェット、3位のスルツカヤ、と、異論の無い結果でした。
強いていうならもう順位つけなくてもいいじゃないってくらい満足しましたという感じかな。
けど、やっぱり点数がついて順位がつくからこその選手のもつ緊張感があって、その中で生み出された感動っていうものが大きかったと思うので。うーん、矛盾するけど試合で観られて良かったという気持ちは大きい。

てな訳で男子編につづく。
ああ、やっと女子書けた。