女体の神秘について語ろう

大抵の女に月1回やってくる非常にやっかいなもの。そう、月経である。・・・月経っていう言い方って何でこう仰々しいんだろう。だから生理って言葉ができたのか。濁音は存在感が強いのだ。でも今日はあえて月経って言ってみよう。大人だし。

で、まあ出血しているのだ。月1回。どうなってるのかあんまり考えたこと無いんだけど、子宮の内壁から剥がれ落ちてるんだろうか。何が?血液が?
適当にネットで調べてみたところ、子宮奥の内壁の粘膜層(これが受精卵が着床するゾーンなのだな)が剥がれ落ちて、血液と共に排出されるそうな。この血液はどこから出てくるんだ?粘膜が剥がれる時に出血するってことか?しかしながら結構な量なのである。痛みが無い(鈍痛がある人もいる)のにこんなに出血するのは不思議である。

で、垂れ流しにしておく訳にいかないのでナプキンを下着に当てたり、タンポンを膣内に挿入したりするのだけど、これらの生理用品は文明の発達と共に驚くべき高品質に進化しているのだ。素晴らしいのだ。私が初潮を迎えてから20年ちょっと経つけれど(そんなに経つのか・・・)、そのたった20年の間にも、お肌により優しくなったり、消臭効果がアップしたり、激薄なのに驚きの吸収力になったりと進化しているのだ。これは凄い。
一部の電化製品のように、技術を小出しにしてちょっとずつ新製品を出して行く小ズルイやり口とは違って、こちらは本当に日進月歩の技術向上と開発努力のもとに新製品が発売されている。と信じている。

自分自身の生理用品の変遷を書いてみると、
中1の終わり:初潮→ナプキン
中学後半か高校はじめ頃→タンポン使用開始。
30代はじめ→月経カップ(膣内に挿入して血液を溜めるシリコンカップ。溜まったら中身を捨てて、洗って再挿入。ちゃんとお手入れすれば半永久的に使える)使用開始。

元々は芝居の稽古や本番中に生理のことを忘れていたかったという理由でタンポンを使い始め、その後は気分的にかったるい時は体内に何も入れたくないのでナプキン、しゃきっと精力的にいきたい時はタンポンを使ってきた。
そして数年前、内田春菊さんの漫画で素ん晴らしく素晴らしい月経カップを知り、今に至るという訳だ。
この月経カップというものは、慣れると本当に月経のこと自体を忘れていられるほど快適で、量の多い日こそ2〜3時間に一回中身を捨てなければならないものの、少ない日なら朝出かけてから夜帰ってくるまで入れっぱなしでも大丈夫なのだ。

ちなみに私は経血の量が少ない方だと思う。月経カップにはメモリがついていて、たまった血液が何ミリリットルだったかわかるという画期的なシステムなのだが、それによると1日目はせいぜい丸1日で10ミリリットルくらい。2日目は多い時だと3〜4回くらい満杯になるから、多分最大で60ミリリットルくらいかな?月経カップの容量は満杯で15ミリリットルなのだ。他にも30ミリリットルのとかいろいろある。
3日目はまたぐっと減って10〜15ミリリットル程度、4日目にはほぼ出血は無く、ちょっと色のついた分泌物が出てくるくらいなので、この日は月経カップはもう入れない。試しに入れて、入れっぱなしで丸2日過ごしたことがあるが(非常にいけないことです)、2〜3ミリってとこかな。
正確に記録していた訳でもないのだが、まあこんな感じ。
改めて考えると凄い量の出血だ。でも、もっと出血する人もいるらしい。そりゃ貧血にもなるわな。

ともかく私はこの月経カップのおかげで、あと15年くらい付き合うであろう月経も、軽く受け流すことができるであろうと不敵に微笑んでいたのである。もう、月経は憎く煩わしき敵ではない、私は勝ったのだ、と。月経カップよ、永遠なれ。

が、2011年7月22日、事態は重大な新展開を迎える!!

何と私は「膣圧コントロール」という神の技法を知らぬ間に習得していたのだ!!!

この膣圧コントロール(正式名称では無いと思う。いろんな呼び名がある)は、何と膣の入り口部分を締めておくことによって自らの膣内に経血を溜め、トイレでそれを排出するというもんのすごい技なのだ!!無論、途中で失敗したらそれまで溜めていた血液が一瞬にして下着と服と周囲の何もかもを汚すであろうという恐ろしさを秘めた技でもある。


それは昨日のことだった。何気なくトイレに入ってしゃがむと、一筋のかすかな血が自分から流れ始めた。来たか、と思うも出血はまだ少ない。もうすぐシャワーを浴びるつもりでいるからその時に月経カップを入れればいいやと思い、トイレを出た。
が、その直後に芝居のネタが思い浮かんだため、私は月経のことも忘れてそのまま3時間ほど机に向っていたのだ。
台本がひと段落つき、ふと月経のことを思い出した私は、しまった!とトイレに駆け込んだ。さっと下着をおろす。が、そこには出血の気配は無い。
初日だから少ないのか・・・と思い、ついでに用を足していると自分の膣内を通る独特の感覚に気付いた。
え?と思い便器の中に目をやるとそこには真っ赤な鮮血が!(嘘。そんなに鮮やかではない)
私の頭に、予てから気になっていた膣圧コントロールの文字がよぎる。
今日はもうずっと家にいる予定だ。下着を、服を、椅子を、布団を、汚してもいい!自分の力を試してみたい!!

ちょっと大げさなのに飽きてきたので簡単に書くと、その後は就寝時でさえ血液を漏らすことなく熟睡できたので、今日は薄手の布ナプキンだけ当てて外出してきたのだ。
今日は最も量の多い2日目なので危険極まりなく我ながらちょっと冒険だとは思うのだが、今のところ何とか大丈夫そうだ。1時間毎にトイレに行って排出しているが、気持ちいいのなんの!ちょっと布ナプキンに漏れていたのでまだ予断を許さないのだが、この膣圧コントロールをものにすれば、危うい時だけ月経カップを使い、後はオールフリー!!すっげえ!!

やってみて思ったのは、案外無意識に締めておけるんだなということ。前から睡眠中は外に血液が排出されることが少なくナプキンを汚すこともなかったので、もしかしたら素質があったのかもしれない。

どうでもいいことだが、この膣圧コントロールはあくまで膣の入り口のみ閉めるのがポイントらしい。膣の内部まで締めてしまうと、当然ながら膣内のスペースが少なくなり経血の行き場がなくなってしまう。
という訳で、これができるからといっていわゆる「アソコの締まりがいい」に結びつくとは限らないのだ、残念ながら。
ああ、残念。

それはさておき、月経関係について、私は結構アグレッシブだと思う。
少しでも快適に過ごしたいのはもちろん、嫌いな事に対してほど関心が高いという現象を体現しているのかもしれない。