芝居作りの裏ばなし

着々と稽古は進んでおります。

昨日の稽古で最後まで大まかに芝居が出来まして、ここから後は各人物や状況を深めて練ってこねて熟成させて・・・から1度白紙に戻して新たに書き付けてまた深めていって・・・と、まだまだ先は長いのですが。

私は割りと場当たり的というかその場の思いつきというか行き当たりばったりというか、そういう感じでしか何かを創ることができず、脚本からして順番にきちんと筋道立てて書くことがありません。ありませんじゃなくて、できません、か。
台詞もきちんと順序立てて喋らせてないために、役者には「覚えづらい」と言われております。はっきり言って不評です。
これは確信的にそうしてるのですが、脚本読んだだけでは意味がわからないと言われることもしばしばあります。芝居が出来上がるとむしろスムーズに流れて見えるんですけどね。

いっぺん最後まで書き上げてから手直しを加えるのですが、それが脚本の直しだけでは済まず、稽古場で稽古しながら新たな台詞を加えたり構成をいじったりもします。これについても(皆、口に出しませんがおそらく)あまり好まれてないようです。対応するのも楽じゃないですもんねえ。

これは決して私の特有のやり方ではありませんが、オーソドックスでもありません。このやり方を、
「まあ、あるね。」
と思う人もいれば、
「言語道断だ。」
と思う人もいます。出来上がった舞台が多種多様なのと同じで、演出家の作法も千差万別なのです。

ただ、稽古の初日にはきちんと台本が出来上がっている、というスタートを切れる脚本家・演出家のことを私は心から尊敬しています。そうでありたいと思います。
そして、それができたら私も
「台詞入れてから稽古場に来るように」
と役者に対して堂々と言えるのですが。

今はおそるおそる
「台詞覚えて来ないと稽古にならないですよ」
と言ってます。偉そうに。
しかしベテランさんの、昨日渡した台本を今日はもう当然のように台詞を入れてくる、という様を見てるとホント・・・見習わねばと思います。

今回の自分の役はほんのちょっぴりの出演時間でありながら猛烈に体力を消費するので(運動不足のせいですが)、今ひそかに個人特訓中です。

来週からは怒涛の通し稽古が始まります。

ああ、肉が食べたい・・・。