獲物を狙う鷹の如く

主催者側として芝居づくりをするようになって以来、知り合いの芝居には名刺を携えるようにしています。
ちょっとでも気になる役者さんには終演後すかさず話しかけて名刺を渡し、うちの作品に出ませんか、と誘いをかけます。

演出さんと知り合いだと打ち上げについて行ってスカウトする事もあります。
ただの飲み会で知り合った役者さんに声をかけることもあります。
昔は苦手だったそういう事が、最近ではギラギラした目でできるようになりました。

よく言われる事ですが、役者さんはやはり普段から魅力的なオーラを出しているほうがいろいろなチャンスを捕らえる事ができますね。
飲みの場で同席しただけの役者さんだと、どんな芝居をするのか当然わかりません。
役者探しに血マナコになっている私ですら、やはり誰でもいいから声をかけてる訳では無いですからねえ。
番組プロデューサーやお芝居の制作さんが、芝居以外の場で役者をスカウトすることも世の中には多少はある訳で。
そういう人の目に止まるには魅力的オーラを出してた方が良い訳ですな。

で、お互い様で、スカウトする側の私も、役者が興味を持つようなオーラを出してなければならないです。
何のバックもコネも無いチビ劇団ですので、自分という人間に興味を持ってもらわないことには胡散臭いだけですからねえ。

とは言え今までスカウトでウチに出演を決めてくれた役者さん達というのは、割と直感で飛び込んで来てくれる方ばかりで。
タイミングがあったとか、たまたま出られる舞台を探してたとか、こちらとしてはヒジョーにラッキーな話です。

けどいつまでもラッキーに頼ってるばかりではいられず。
「この芝居に出たい!」
と思わせる芝居を作ることが良い役者を集める為の早道なんでしょう。
そうして良い役者が集まれば更に良い芝居が作れるます。
大前提に、良い脚本を書くというハードルがそびえ立ってる訳ですが(良い演出、良い宣伝、言い出すとキリが無いですが)。

ちなみに今回の発条ロールシアターも、ラッキーが重なりステキに魅力的な役者が揃いました。
このメンツでこの芝居をつくることができるという幸運に感謝しつつ、皆様に最高に面白い作品をお届けすべく稽古中であります。

それにしてもスタッフワークの進みが遅くて泣きが入りそうです。
自分のアイデアの限界との戦い、そして作業の遅さとの戦いです。

ちなみに今日観た芝居にもステキな役者さんが出ていたのですが、名刺を家に忘れてきました。
鷹的には痛恨のミス。