大好きだった

「コリーくんと結婚できないなら一生結婚しない」
コリー・フェルドマンが好きだった小学生の私はそう日記に書いた。

グーニーズ』で、コリー・フェルドマンに夢中になった。主役のショーン・アスティンもそれはそれは可愛かったけど、ちょっとクセのあるコリーくんにときめいた。

『スタンドバイミー』では更にクセのある役で、子供な私は少しショックだった。
はかなげな美少年、ウィル・ウィートンにクラクラするも、やっぱりコリーくんが好きだった。

母の買っていた『ロードショー』に載っているコリーくんを見ては、
「四角い顔だな」
「変わったファッションだな」
なんて思いつつ、でもやっぱりコリーくんが好きだった。

ある時『ロードショー』最新号のページをめくると、コリーくんと金髪の生意気そうな少年。そして「Wコリー」の文字。
何、このカッコイイ男の子。共演者?友達役?え、プライベートでも仲良し?
それがコリー・ハイムを初めて知った瞬間だった。

はっきり言って、私の愛するコリーくんより、このカナダ生まれのコリーくんの方がカッコイイし、着てる服も可愛いし(コリーくんは黒ずくめに革手袋とかだった。マイケルジャクソンが好きだったんだっけ)。それに、口の端を歪めた笑い顔がなんとも憎らしくて魅力的だ!
でも今まで焦がれたコリーくんから乗り換えるのもはしたないし…なんて思っていた可愛い私。

嬉しい事に2人は頻繁に共演してくれた。
ロストボーイ』『運転免許証』『ドリームドリーム』。
愛しのコリーくん目当てと言いながらもコリー・ハイムを目で追ってウットリし、それでいて2人主役の触れ込みなのに明らかにフェルドマンくんよりハイムくんの方がメイン扱いだとやっぱり悔しくて不満だった。

思春期の私にとってコリー・ハイムは、大好きな男の子の親友であり、密かに見とれるアイドルだった。

中学生の時、2人のコリーを観たくて初めて1人で映画館に行った。
(ちなみにショーンくん主役、共演がウィルくんの『トイ・ソルジャー』や、これまたショーンくんが、美青年エリック・ストルツやら、マシュー・モディンやら若手スターと共演した『メンフィス・ベル』も映画館で観た)

部屋はWコリーのポスターと切り抜きで埋めつくされていた。

2010年3月10日、コリー・ハイムの時間は止まった。
訃報を伝える記事には、すっかりおじさんになった38歳のコリー・ハイム。

口の端を歪めて笑うコリー・ハイムは、あの時と同じで、とても魅力的に見えた。

大好きだったんだ、とても。