八百屋お七

江戸の大火の際に寺へ避難した娘さんが、お寺の小姓さんに恋をして、恋しさのあまり再開を願い放火してしまう、という実話を元にしたお話。

これを、「わかる」と言ってしまうのはいけない事かもしれないけど、でも、わかる。

恋焦がれた果てに、放火。木造の江戸の町に、放火。何の咎も無い人々の家に、放火。命と財産を一瞬にして奪う卑劣な行為。
そんなの、やらないとも。

でも、わかる。

理性で抑えられる恋なんて、恋じゃねえ!
理性で己を律し人を思いやれない愛なんて、愛じゃねえ!

そんな事を、ふと思ってしまった九月の今日。

恋も愛も、どっちも大事でどっちも厄介で。
「本気の恋」、「真実の愛」、どっちも胡散臭いけれど、何かを犠牲にしてもこの人を手に入れたいというこの気持ちは紛れも無く恋だし、何をさておいてもこの人を守りたいというこの想いは間違い無く愛だし。

恋も愛も、しんどいのう。

果たして恋と愛は、同時に成り立つものなんだろうか?

そんな事を、不意に考えてしまった初秋の今夜。

今日はちょっとポエムチック。