ヒト・対・ヒト

芝居の本番まであと3週間足らず。稽古日数はあと14日という今。
本番に向けて仕事が山積みという状況は変わらず。優しくも有能なスタッフ陣にお尻を叩かれつつ、日々の稽古に息は上がり、たまに逃げ出したい気分になりつつも気付くと「あの場面こうしてやろう」なんて頭の中でシーンをこねくりまわしたりという、まあ苦しくも幸せな日々を送っているのだが。

ああ、どうして人間関係というのはこうも煩雑で難しいのだろうか。

私は本能に突き動かされ、醜くも正直に生きる事こそ美徳と思っているのだけど、もちろん誰しも同じ考え方では無い訳で。
己を律し、清廉に、時には嘘をつきながらも波風を立てないで生きる事こそ善だとする人もいたりして。私だって、場合によってはそれは素晴らしい事であり必要な事だと思ったりもして。

まあ、様々。

しかし、疲れるなあ。

芝居づくりはいいなあ。シンプルだもんなあ。魂をぶつけ合い、自分を高め、相手を知る。そして良い舞台を作り上げる。それだけだもんなあ。

いや、まあそれだけってこた無いけども。いろんな考え方の人がいるし、いろんな役割の人がいるし。でも、ひとつの舞台を作り上げる上で目指すべき場所ってのは、誰もそう相違ない筈だから。
だから、いいなあ。

…私はひとつ、偽りを書いた。

芝居づくりにも煩雑で難しい人間関係は存在するのだ。人が集まっている以上、やはり存在するのだ。
でもそれは実は、当人の感じ方・対処法で何とかなるという事も、私は知っている。

要は私次第、なのだ。

とにもかくにも、人間って愛しい。
そして、人間関係って煩わしい。

ここにいたいから、ここにいる。
そしてここにいる以上、避けては通れないのだ。

うん。