正月早々軽犯罪

窃盗って軽犯罪ですか?横領は?軽じゃないっすね。

昨日、バイトのレジ締めをしてたら400円多かったのです。
バイト先はウォーターフロントにそびえ立つ高級ホテルフロントに鎮座する大手運送会社の宅配便受付なので、お金に関してはとてもおおらかでした。売上額に謎のプラスが出れば、レジ横にある「お金が多かったら入れるBox」という懐の広い小箱に入れておき、逆にマイナスだった時は、そこから足りない分を拝借してツジツマを合わせるという、見事な秩序に成り立つお仕事でした。
が、先日ホテルの人がその事実を知り
「そんな杜撰な事じゃ困りますっ!」
といきり立ち、過不足金の報告義務と、更には今まで丼勘定だった梱包資材の売上も、在庫数をチェックして正確な売上を報告するべしという革命的変化を我々に突き付けてきたのです。つまり、お金の取り扱い方法が世間一般にまかり通っている極めてオーソドックスなものに移行した訳です。
そんな訳でこの日もレジ締めの時点で「400円多かった」とホテルの人に報告し、ペリカン…あわわ、某・宅配便の事務所に電話で「400円多かった」と報告して、日報に「400円多かった」と書いて、集荷に来たドライバーさんに「400円多かった」と報告して「またお金合わなかったの?」と言われて…という、無限地獄をさまよわなければならなかったんです。ホントは。
しかしどういう訳か私は不意にそれがどうしても嫌になって、400円をポケットに入れたんです。50円玉を8枚でした。
よく、たそがれ時にふっとどこか遠くへ行ってしまいたい気分になるものですが、それと似たものだったのかもしれません。
そうして私は、「今日レジ金どうでした?」と尋ねるホテルの人に「過不足無しです」と目を合わせずに答えると、そそくさと帰路につきました。
400円が欲しかったんじゃない、そういうことじゃないんだ。と思いつつ、電車賃にそこから200円使い、帰りに寄ったスーパーで端数を支払うのに100円使い、お釣りの20円と残りの100円を盲導犬募金の募金箱に入れて、自分は決して私利私欲の為に400円を盗んだのではない、日●通●という大企業が社会貢献するのを手伝ったのだという誇りに胸を詰まらせながら帰宅したのでした。

で、今日の売上は400円マイナス。ミラクル!自腹で400円足しました。文字通りプラマイゼロ!

という訳で、悪いことはできないという有り難いお話。
今日のマイナス400円、実はホッとした私です。もうしません。